2013 Fiscal Year Research-status Report
高強度領域における主観的努力度の変化が平泳ぎパフォーマンスに及ぼす影響
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24500733
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大庭 昌昭 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (40303094)
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Keywords | 水泳 / コーディネーション |
Research Abstract |
本研究は、平泳ぎの高強度領域におけるグレーディングに関与するパラメータを明らかにすることを目的として、主にキック動作とコーディネーションに焦点をあて進めるものである。平成25年度は3年計画の二年目にあたり、ストローク―キックのタイミングが平泳ぎのグレーディングに及ぼす影響について、検討を進めることが主であった。特に、ストロークとキックのタイミングを評価する指標であるIDCを算出し、泳速度と平泳ぎの局面構造パラメータの変化に関係が認められるかどうかを調べることが具体的な内容であった。 主な研究成果は、以下の通りである。 1、回流水層を用いた実験を通して、平泳ぎにおける客観的な流速の違いがパラメータの変化に与える影響を確認するとが出来た。最大努力泳時の流速を100%とし、その流速の90%、80%、70%に相当する流速で約10秒間泳いでもらった。その際の映像を高速度カメラで撮影し、ストロークパラメータ(ストローク長とストローク頻度)の変化について、クロールと比較検討し、平泳ぎの特徴を明らかにした。この研究成果は、日本体育学会において発表を行った。 2、日本体育学会、日本水泳・水中運動学会、日本コーチング学会や、実験協力をお願いしている筑波大学体育科学系において、本研究に関する打合せを行い、「自由泳における撮影方法(機材の補完に繋がった)」「コーディネーションの分析手法」など、今後の実験に向けての意見交換を行うことが出来た。平泳ぎは他の種目と比べ、加速減速が激しい種目とされており、その分技術的要素がパフォーマンスに与える影響が大きい。そうした影響も含めて比較検討ができるよう撮影・分析方法をより詳細に検討することができたことは、非常に大きな成果であった。 3、平成26年4月にオーストライアで開催されるBMS2014 Conferenceにおいて、本研究に関わる発表が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した回流水層による実験などを通して、ある程度平泳ぎの技術的特性について把握することができたため。 ただ、高強度領域におけるグレイディングに関わり課題が残っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度には、この結果を踏まえて「主観的な努力度と速度調節の関係を明確にし、コーチングの現場に応用できる」ように自由泳での実験を行う計画であり、既に平成26年5月から8月にかけて、定期的(2週間に一回程度)に実験を行う計画を立てている。 コーディネーションの分析方法について、自由泳でどのように撮影するかという課題が残っているが、カメラの台数を増やし、分析手法を工夫するなどし、早い段階で確定した上で研究を進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際学会への参加について予算計上していたが、日程等の関係で参加することが出来なかったことが1つである。 また、予定した実験の一部が実施できていないことによる人件費・謝金の支出がないことがもう1つである。 既に4月下旬から5月上旬にかけて行われる国際学会への出席(発表)が決まっていることと、7月に開催される国際学会への参加も検討している。(さらに12月開催の学会での発表も検討中である) また、5月から8月にかけて、月に2回程度の継続的な実験について準備が整った。施設使用料、実験補助の人件費などに使用する予定である。 当初の予定からやや年度がずれ込み、使用計画も一部修正した形にはなるが、課題解決のための実験に関わる費用や研究成果の発表のための旅費等に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)