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2012 Fiscal Year Research-status Report

モンゴル国における土地所有法がもたらす身体観の変容に関する研究

Research Project

Project/Area Number 24500742
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionNara University of Education

Principal Investigator

井上 邦子(松田邦子)  奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (40278239)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2017-03-31
Keywords身体観 / モンゴル国
Research Abstract

モンゴル国において相撲は特に国民の高い関心が集まる伝統スポーツであり、長年親しまれてきてはいるが、モンゴル国自体変動の時代を通過しているゆえに相撲もこうした国状に大きく影響を受け、変容してきている。そこで、相撲の現状を明らかにするため、7月7日から14日にかけて、伝統スポーツ(相撲、競馬、弓射)の祭典ナーダム祭の現地調査を行い現状を把握し関係者から聞き取り調査を行った。加えて現地文献、活字資料および映像資料の収集を行った。調査によって明らかになったことは主に以下のとおりである。
①競技ルール、試合形式の現状(特に近年新たに加わったルールについて)②運営組織の把握③力士の報酬、チケット料、スポンサー等経済的側面の把握④力士の練習方法
本調査により、2003年に国家が介入するかたちでルールが大規模に見直され、競技が国家の祭典として再組織化されていることが明らかになった。また、ドーピング検査の採用や試合に時間制限を設けるなど、相撲競技のいわゆる「近代化」が進んでいることが分かった。また、2011年にナーダムがユネスコ無形文化遺産に登録されたり、当年はロンドンオリンピックの開催年であったこともあり、スポーツの「国際ルール」を意識した議論が関係者の間で行われており、「国際社会」の中でのナーダム祭のあり方が模索されていることが浮き彫りになった。
上記の結果を、神戸市外国語大学・バスク大学第2回国際セミナー(平成24年8月6~9日、於:神戸 市外国語大学、セミナーテーマ:「グローバリゼーションと伝統スポーツ」)において発表し、同報告書(5月10日現在印刷中)に論文「身体に向かうグローバリゼーション~モンゴル国伝統スポーツの事例より~」を掲載した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本務校の公務との関係で、現地調査の日数が限られてはいたが、予定通りナーダム祭開催時期の7月に現地調査を行うことができ、関係者への聞き取り調査も問題なく行うことができ、新しい知見を得ることができた。また、スペイン・バスク大学との国際セミナーにおいて本研究の成果の一部を発表でき、バスク大学の研究者と本研究についてディスカッションできたことは大きな成果であったと考える。

Strategy for Future Research Activity

2013年度夏季にモンゴル国ウランバートル市、および必要に応じてその周辺地域に現地調査を行う予定である。特に、2003年施行の土地所有法が伝統スポーツの身体観にどのような影響を与えるかを考察するため、土地所有法以降の国民生活の変容について現地調査したいと考えている。調査の具体的内容は以下のとおりである。
①土地所有法の現状(土地所有率、定住率の把握)②法施行以降の国民生活の変化(特に生業形態に関する変化 )③身体技法および伝統的身体観の変化について
以上の内容を関係者に対する聞き取り調査を行い、加えてg現地文献、資料の収集および映像資料の収集を行う予定である。
以上のような現地調査の結果をふまえ、土地所有法以降、定住化や生業形態の変化(脱遊牧化)がどの程度進んでいるのかの現状をまとめ、それらに伴う日常生活の変化から「身体」に関する変化に着目し具体的な事例を明らかにする。その上で伝統的身体観に関する先行研究との比較より、土地所有法移行の身体観の変化の諸相について考察する計画である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

上記研究計画を遂行するため、夏季に現地調査を予定している。その際の旅費、および現地調査における謝金を使用する予定である。また、プリンタのインク等の消耗品、関連書籍などの物品を購入する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 2012

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] 身体に向かうグローバリゼーション~モンゴル国伝統スポーツの事例より~2013

    • Author(s)
      井上邦子
    • Journal Title

      神戸市外国語大学・バスク大学第2回国際セミナー報告書

      Volume: 巻なし Pages: 印刷中のため未定

  • [Presentation] 身体に向かうグローバリゼーション ~モンゴル国伝統スポーツの事例より~2012

    • Author(s)
      井上邦子
    • Organizer
      神戸市外国語大学・バスク大学第2回国際セミナー
    • Place of Presentation
      神戸市外国語大学
    • Year and Date
      20120806-20120809
    • Invited

URL: 

Published: 2014-07-24  

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