2016 Fiscal Year Research-status Report
モンゴル国における土地所有法がもたらす身体観の変容に関する研究
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24500742
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| Research Institution | Nara University of Education |
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Principal Investigator |
井上 邦子 (松田邦子) 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (40278239)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | ナーダム祭の現在 / モンゴル相撲の技の伝承 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績としては、７月９日から１６日において、モンゴル国ウランバートル市を中心に現地調査を行った。その成果は以下の通りである。
まず、本年度はモンゴル国にとって1911年満州族から独立した105周年記念、1921年社会主義革命から95周年、匈奴の時代から2225周年記念と３つの周年が重った特別の年と位置づけられ、またASEM会議が同時期にウランバートル市内で開催されていたこともあって、特別な伝統スポーツの祭典（ナーダム）が開催されていた。そうした国を挙げての祭典を、どのように演出することで国内外にナーダム祭をアピールしようとしているのかに着目し、現地調査を行った。特に開会式においては昨年までとは異なり、国連軍の兵士だけでなく、日本企業の「コマツ」社員による入場行進なども行われるようになり、モンゴル国自体がグローバル化され、他国の影響を強く受けていることを如実に表す事例が調査によって明らかになった。
また、現役力士にインタビュー調査を行い、力士になった経緯、相撲の技の伝承方法、近年のモンゴル伝統スポーツにおける変化などについて聞き取りを行った。その結果、モンゴルの一般男性は、幼少期から相撲を遊びのなかで取り入れており、その後もさらに本格的に相撲の技を磨きたいと考える者は、およそ１５歳頃から相撲の特別コース（日本でいう習い事）に通い、その後本格的に力士となることが多いことがわかった。すなわちモンゴル国では、相撲に関して幼少期から遊びの中で経験を積み、その後も競技を学び続けることができる一つのシステムが出来上がっており、そのなかで身体技法などが伝承されることが分かった。また、モンゴル社会の中でも男子が生まれると「力士になる人が生まれた」といって喜ぶと言い、社会全体において力士を尊ぶ素地が根付いていることなどが、聞き取り調査によって明らかになった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度も現地調査を行い、現地の協力者、インフォーマントの協力を得て、おおむね順調に調査が進展していると考えている。ただ、予定していたインフォーマントの一部が、夏季休暇のため連絡が取れず（モンゴルの伝統的な風習により、７月は都心部を離れ、田舎の草原地域に赴き、外部からの連絡を絶って休暇を行う）次期の調査において聞き取り調査を行う予定となった。来年度、早急に対応したいと考えている。
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果をまとめ、２０１７年７月４～７日に開催される東北アジア・スポーツ史学会（於：中国浙江師範大学金華キャンパス）で発表（テーマタイトル；「モンゴル国伝統スポーツにおける民主化後の変容―相撲の身体観の変容に着目して―」）する予定にしている。
また、９月においてモンゴル国ウランバートル市で現地調査を行う予定にしている。この時期には、インフォーマントである伝承スポーツの競技者も夏季休暇からウランバートル市の自宅に戻っていることと考えられ、予定通り聞き取り調査が行えると考えている。
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| Causes of Carryover |
現地調査が公務のために比較的短期間しか行くことができなかったため、旅費の支出が抑えられた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、7月に中国における東北アジア体育・スポーツ史学会で発表の予定にしており、学会参加費、旅費、抄録翻訳費用（中国語・韓国語）などに充てる予定である。
また、9月には現地調査を10日程度実施する予定にしている。その際の旅費宿泊費、謝金などに使用を予定している。
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Research Products
(1 results)
