2012 Fiscal Year Research-status Report
地域密着型障がい者スポーツ活動の推進事業の展開とその社会的意義に関する縦断的研究
Project/Area Number |
24500747
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
奥田 邦晴 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (20269856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 正教 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (60611910)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 障がい者スポーツ / 障がい者 / スポーツ / ボッチャ / 脳性麻痺 / 重度障がい者 / 社会参加 |
Research Abstract |
本研究は、縦断的に重度障がい者のスポーツであるボッチャ競技を推進、実践し、障がい者のスポーツの意義や機能について明らかにするとともに、障がい当事者だけでなく、小・中学校、支援学校教員や理学療法士、作業療法士などの医療専門職者、そして社会福祉協議会職員やケースワーカーなどの専門職者にスポーツ活動の意義について理解を推進するとともに障がい者の可能性について具体的に示すことを目的としている。今年度は以下の事業を実施した。ボッチャ競技の現状を調査すべく、日本ボッチャ協会に所属する登録選手数を調査し、都道府県別にまとめた。選手は主として、関東及び近畿地域に集中しており、他の都道府県は非常に少なかった。近畿地域でも、大阪、兵庫に集中しており、奈良、和歌山県の登録選手数はゼロであり、同様の傾向が全国的にも生じていた。 1.普及活動の実施 : 地域におけるボッチャの状況を調査し、普及講習会等を開催し啓発に努めた。以下、今年度に実施した普及講習会等を記す。 大阪市長居障がい者スポーツセンター(7月)、府立整肢学園(8月)、大阪府立大学オープン講座「支援学校教員を対象とした、重度障がい者スポーツのすすめ」(8月)、滋賀県ボッチャ協会(11月)、宮崎フェニックスシーガイヤリゾート(1月)、はびきの市民活動フェスタへの参加(3月)、大阪府理学療法士会主催重度障がい者スポーツ『ボッチャ大会』開催(3月)、奈良県障害者福祉協議会主催ボッチャ講習会(3月) 2.ボッチャボールとランプ(スポーツ用補装具)の開発、研究 現在市販されている競技用ボッチャボールは、一式約80,000円と非常に高価であるため、一層の普及を目的に、安価で高性能のボールの開発・研究に着手した。また、最重度の選手に必需であるランプについても、精度が保たれ、かつより安価な普及版を開発すべく、検討した。次年度完成させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近畿地区はもとより、九州等でも普及講習会等を開催することができたことが大きな実績である。ボッチャの普及ができたことはもとより、地域の状況を把握することができ、今後の具体的な課題抽出の糸口を探れたことが大きい。また、本学工学研究科ともスポーツ用補装具であるランプスの開発研究に共同研究として取り組むことができたこと、他の企業ともボッチャボールやランプスの試作、開発研究に具体的に取りかかれたことも意義深い。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度の事業で得た、重度障がい者のスポーツ活動推進のための課題に向け、ネットワークと人的資源を活用し、地域密着型障がい者スポーツ活動を大阪府下および他府県へ積極的な展開を図る。 1.ボッチャの啓発・推進 : 本研究の対象者が主として脳性麻痺者や脳卒中などの高齢障がい者であるため、当事者はもとより、理学療法士、作業療法士等のリハビリテーション医療専門職者、教育に携わる小中学校および支援学校の教員、そして社会福祉協議会等の職員を対象に啓発事業を行っていき、各地で練習会などの企画から始め、ボッチャの普及を推進していく。また、当事者には、ボッチャ技術の向上、使用する補装具等のアドバイスを行う。 2.アンケート調査、事例検討の実施 : 近畿地域における重度障がい者のスポーツの体験機会を増やし、その面白さを伝えるとともに、体験者に対してスポーツ活動への参加が健康維持、増進ばかりでなく、生活支援および社会参加に対してどのような影響を及ぼすかについて、アンケート調査ならびに事例検討を行う。 3.大会の開催 : 近畿地域でボッチャ競技大会を開催する。脳卒中片麻痺者等も参加可能なオープンクラスも設け、その普及、選手強化を図る。近畿各府県での障がい者スポーツ講習会やボッチャ大会の開催を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
全国各地への普及講習会の開催及びアンケート調査に関する旅費及び人件費。 障がい者スポーツ関連学会での研究結果報告のための参加費及び旅費等。 ラインテープ等の消耗品。 ボッチャボール及びランプの開発研究費。
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