2013 Fiscal Year Research-status Report
地域密着型障がい者スポーツ活動の推進事業の展開とその社会的意義に関する縦断的研究
Project/Area Number |
24500747
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
奥田 邦晴 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (20269856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 正教 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (60611910)
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Keywords | 障がい者スポーツ / 障がい者 / 重度障がい者 / ボッチャ / 脳性麻痺 / 筋ジストロフィー |
Research Abstract |
本研究は、縦断的に重度障がい者のスポーツであるボッチャ競技を推進、実践し、障がい者のスポーツの意義や機能について明らかにするとともに、障がい当事者だけでなく、小・中学校・支援学校教員や理学療法士、作業療法士などの医療専門職者、そして社会福祉協議会職員やケースワーカーなどの専門職者にスポーツ活動の意義について理解を推進するとともに障がい者の可能性について具体的に示すことを目的としている。今年度は以下の事業を実施した。各都道府県別にボッチャ協会あるいは連盟等の組織があるかどうかについて調査した。現在、協会が設置されているのは、16都道府県に留まっている状況であることがわかった。 1.普及活動の実施 : 地域におけるボッチャの状況を調査した。まだ、ボッチャ協会等の設立されていない都道府県に対して、普及講習会等を開催し、普及に努めた。結果、宮崎県、岡山県にボッチャ協会が設立され、引き続き、奈良県、岐阜県、香川県も設立の予定である。 2.ボッチャの補装具であるランプについて、より精度が高く、かつ価格が安い普及型ランプを開発した。さらに、代表選手をめざすプレーヤーなどを対象としたプロトタイプも開発した。また、現在、2本のパイプを組み合わせたパイプ式ランプの開発中である。 3.支援学校の教員を対象に、大阪府立大学オープン講座として、ボッチャについて講演を行い、参加した支援学校教員の理解を高めた。 4.脳性麻痺選手において、視知覚の障がいがあることがわかり、深視力測定器により、強化指定選手の測定を行った。約80%の選手に距離等の把握、理解の問題があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
都道府県に協会が設立されるようになり、はじめてボッチャを行う選手が増加してきている。また、普及指導員数も増加しており、ボッチャの普及がかなり進んだ。長年にわたる懸案事項であったランプスについて、精度の高い競技用及びより安価なスタンダードタイプを完成させることに成功した。これらは日本ボッチャ協会において、販売されることとなった。 大阪府立大学が、日本パラリンピック委員会において重度障がい者アスリートの強化拠点基地と認定された。結果、2014年度より、全国のボッチャ代表選手や車椅子ツインバスケットボール選手を中心に、より積極的な強化プログラムを展開する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
より積極的に普及活動を実践し、全国都道府県にボッチャ協会の設立を進めるとともに、ボッチャ選手の発掘、育成に努め、縦断的に選手のQOL等について調査を行う。視知覚については、国立障害者リハビリテーションセンター病院の協力のもと、選手の評価及びトレーニングに努める。 これらの成果について学会報告及び論文化を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の進め方として、まずはボッチャの普及を行うことに主眼を置いたため、各都道府県へ出向いての打ち合わせや普及講習会の開催のための旅費等が必要となった以外は、調査研究に必要な経費が発生しなかったため、この分を次年度に持ち越した。次年度以降で、積極的な調査研究を実施する予定である。 次年度以降も全国レベルで、ボッチャの普及に努め、新人選手の発掘、育成に努めるとともに、選手を対象とした調査研究を積極的に実施する。新しいパイプ式ランプスの開発に努める。
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