2015 Fiscal Year Research-status Report
地域密着型障がい者スポーツ活動の推進事業の展開とその社会的意義に関する縦断的研究
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24500747
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
奥田 邦晴 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (20269856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 正教 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (60611910)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ボッチャ / 障がい者スポーツ / 社会参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、1)前年度から引き続き地域での普及振興、2)日本代表選手、強化指定選手へのアンケート調査を中心に実施した。
1)前年度、一般社団協会日本ボッチャ協会に登録している会員が、前々年度から大きく変化なかったことも踏まえ、前年度から継続して出前普及講習や、大阪府内にある支援学校に出向いて、生徒・児童や教職員を対象に、ボッチャの体験会や講習会を行うなど、依頼に対して積極的に対応するよう努めた。出前普及講習として、大阪府松原市、兵庫県尼崎市などの近畿圏内だけでなく、宮崎県や徳島県での講習会の依頼にも対応した。中でも、松原市では市制60周年記念行事として本学協力のもと「障がい者スポーツ ボッチャ大会」を開催した。地元市民を中心に障がい者、健常者問わず参加出来る大会であったため、「ボッチャ」を通して地域のさまざまな人が交流できる良い機会となった。また、支援学校での講習会として、大阪府立岸和田支援学校、大阪府立茨木支援学校、京都府立南山城特別支援学校、瀬戸市立瀬戸特別支援学校(愛知県)で実施した。さらには、前年度から計画していた全国特別支援学校対抗選手権(ボッチャ甲子園)開催についても具体的に話が進み、平成28年度内に開催することが決定した。当該年度の日本ボッチャ協会の登録者数を調査したところ、456名から511名にまで増えていた。これまで継続的に実施してきた出前普及講習会等の成果として考えられる。
2)継続的に日本代表選手、強化指定選手を対象に、日ごろの練習時間や練習環境、身体機能や自身の障がいについて調査を実施している。指導者の不足や十分な練習環境が確保できないこと、二次的な障がいによる身体機能の低下等が調査をする中での問題点として挙がってきているが、引き続き調査を行い、今後の課題と解決方法を検討していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
地域での普及振興に力を入れ、全国各地、支援学校等でも積極的に講習会た体験会を実施してきたが、先方とのスケジュール調整や他のイベントとの兼ね合いもあり、これらの活動を十分できたかと言うと、やや課題の残る部分もあると考える。また、ボッチャ選手を対象に実施してきたアンケートについても、強化合宿をはじめとする事業に合わせて調査を実施する機会が多く、時間的な制約もある中で進めているため、予定よりも時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
日本ボッチャ協会への登録会員数が500名を超過したことは、普及活動を積極的に行ってきた成果でもあると考えている。ただ、この中で登録している選手数は229名であり、前年度から9名多くなったのみであった。周囲の関係者が興味を持ってボッチャに関わることや地域全体でボッチャに取り組んでいるところも増えたことは非常に良い結果に結び付いているが、普及と同時に選手の発掘や強化も進めていき、障がい当事者がより社会に参加しやすい環境を作っていくことが重要だと考えるため、引き続き普及活動を行い、特に支援学校への体験会や講習会の開催回数を増やすように計画していく。 また、継続して選手へのアンケート調査の実施と結果のまとめ、分析を行っていく。
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Causes of Carryover |
当該年度は、物品購入や旅費にかかる費用が少なかったことから、これらについては当初の予定よりも少ない額となっている。研究の補助として1名を継続して雇用したため、人件費については当初より多くの額を使用した。当該年度の使用額としては、研究開始当初の予定よりも多いものであったが、前年度までの未使用分を使用できなかった分もあったため、次年度使用額が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
全国的な普及活動、特に支援学校への講習会や体験会の開催を積極的に行うことや、研究成果をまとめて学会等で発表することも計画し、その旅費等として使用する。
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