2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500753
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
松本 高明 国士舘大学, 体育学部, 教授 (10245681)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土居 裕和 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40437827)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 脳機能 / 遺伝子多型 / 唾液中ホルモン / トップアスリート |
Research Abstract |
本研究では、レスリング、柔道、水泳、サッカーの様々な競技レベル(オリンピック級、日本代表級、学生チャンピオン級)の選手、及び、選手と年齢・性別をマッチングさせた一般健常者を対象として、①行動・脳機能計測、②遺伝子多型解析、③内分泌機能計測を実施し、競技レベルを規定する心理的能力を解明する。平成24年度は、様々な競技レベルの男子水泳選手120名を対象に、遺伝子多型解析、内分泌機能解析、及び心理尺度計測を実施した。さらに、胎生期性腺ホルモン曝露レベル指標となる2d:4d digit ratio, 顔形態解析を実施した。柔道選手についても、男女合計130名のDNAサンプルを採取済みである。収集済みの水泳選手のデータを予備分析した結果、試合当日の唾液中テストステロンレベルと競技成績との間に正の相関が見出された。さらに、競技レベルの高い選手ほど、心理尺度の一つであるEQ得点が高くなる傾向が見出された。先行研究から、EQ得点と前頭前野機能との関連性が明らかにされていることから、これらのデータは、「前頭前野・実行機能系、及び、内分泌機能が選手の競技レベルに影響を与える」との申請者らの仮説を支持するものであると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
男子水泳選手は、解析に必要な人数のデータを確保することが出来た。また、水泳以外の競技の選手に関しても現在データ収集中である。研究対象者確保はスムーズに進んでいることから、研究は概ね順調に進展しており、研究期間内での目的達成は十分可能であると見込まれる。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度以降は、男子水泳選手、及び、水泳以外の競技の選手についてもデータ収集を行い、随時データ解析を実施する。遺伝子多型解析に関しては、現在、前頭前野・実行機能系との関わりが深いCOMT, BDNFの解析を行っている。今後は、社会性ネットワーク・報酬系機能活動に直接的に関与する他の遺伝子多型に関しても、解析を行う予定である。 各競技の選手を対象としたデータ解析の結果、競技成績を規定する生物学的基盤(性ホルモン・遺伝子多型)が同定されると予想される。競技成績とこれら生物学的基盤との関連を媒介する神経学的メカニズムを明らかにするため、現在進行中のデータ収集・解析が終了し次第、その結果を踏まえて脳波計・NIRSによる脳機能活動計測を実施する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度までに水泳選手、柔道選手の検体採取がほぼ終わり順調に謝金の消化がなされたが、、レスリング選手の検体採取が遅れたため、謝金の支出に残額を生じている。この残額は、すでに支出予定としていたもので、すでに検体採取を開始している最中であり、次年度早期に消費される予定である。
|