2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500753
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
松本 高明 国士舘大学, 体育学部, 教授 (10245681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土居 裕和 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (40437827)
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Keywords | 脳機能 / 遺伝子解析 / 唾液中ホルモン / トップアスリート |
Research Abstract |
本研究では、レスリング、柔道、水泳、サッカーの様々な競技レベル(オリンピック級、日本代表級、学生チャンピオン級) の選手、及び、選手と年齢・性別をマッチングさせた一般健常者を対象として、①行動・腦機能計測 ②遺伝子多型解析、③内分泌機能計測を実施し、競技レベルを規定する心理的能力を解明する。 平成25年度は、様々 競技レベルの女子競泳選手30名、シンクロナイズドスイミング選手30名、女性サッカー選手、女性柔道選手30名を対象に、遺伝子多型解析内分泌機能解析、及び心理尺度計測を実施した。さらに、胎生期性腺ホルモン暴露レベル指標となる2d:4d digit ratio 顔形態解析を実施した。 柔道選手についても、 男女合計l30名のI)NAサンプルを採取済みである。また、今年度は、男性レスリング選手、男女サッカー選手100名についてのサンプリングを終え、空手などの国際級の選手のサンプリングも実施中である。 収集済みの女性水泳選手のデータを予分析した結果、男性同様に試合当日の唾液中テストステロンレペルと競技成績との間に正の相関が見出された さらに、男性同様競技レベルの高い女子選手ほど、心理尺度の一つであるEQ得点が高くなる傾向が見出された。 先行研究から、EQ得点と前頭前野能との関連性が明らかにされていることから、これらのデータは 「前頭前野・実行機能系、及び、内分泌機能が選手の酸技レベルに影響を与える」 との申請者らの仮説を支持するものであると考えられる。今年度中に性差、競技特性につき解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理由) 現在、男女競泳選手のデータ解析が進行中であること。トップアスリートの試合当日の唾液中テストステロンレペルと競技成績との間に正の相関が見出され、 さらに、男性同様競技レベルの高い女子選手ほど、心理尺度の一つであるEQ得点が高くなる傾向が見出された。以上から競技力と、唾液ホルモン、脳機能との関係性に一定の結論合られる方向にある。また、昨年度父祖臆していたサッカーやレスリング選手ののサンプリングを終え同様の解析を行っており、その傾向から更なる結果の確証となるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、仕上げの年として、採取したサンプルすべての解析を進めていく。解析内容も、従来通りの脳の遺伝子多型に加え、社会性ネットワーク、報酬系機能活動に関与する遺伝子型をさらに解析して、トップアスリートの脳に関する遺伝子多型の特徴を明らかにしていく。また、性差や種目特性についても検討していく。その中で、競技成績を規定する生物学的的基盤(性ホルモン・遺伝子多型)の解明に尽力する。また、東京オリンピックの開催がきまり、更にオリンピアンの特性についての研究を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
柔道選手、一部国際級の選手に対してサンプリングが周章していないために、謝金支払の必要があること。遺伝子解析、唾液ホルモンの解析途中であること。研究者の詳細な打ち合わせと最終年度報告書作成のため、また、学会発表に関するの旅費を要すること。 年度前半までに、サンプリング並びに解析を終了する予定である。秋に研究者間の会合により報告書の作成、学会報告についての最終的な打ち合わせなどを行う予定である。
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