2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500755
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
青木 和浩 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (60424230)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / フィールドテスト |
Research Abstract |
本研究では、現場で活用できるコントロールテスト種目の提言という観点から「立三段跳・立五段跳」に着目し、陸上競技者におけるバウンディング能力の有効性や測定方法の検討を行った。また、陸上競技選手だけではなく、児童生徒も対象にして、疾走能力と跳躍能力の関係も明らかにし、子ども達の走能力・跳能力の改善策の一助となると考えた。 本年度の課題は「跳躍能力におけるバウンディングの位置付け」であった。本課題では、大学の陸上競技選手たちを対象として、測定方法が確立されている垂直とびや立幅跳やRJなどの跳躍能力とバウンディング(立三段、立五段)の関連性について検討進めた。また、本研究では、単に跳躍能力の評価だけではなく、新体力テストの運動能力テストの種目である50m走や立幅跳やハンドボール投げなどの項目との関連も検証する予定です。本課題では、陸上競技選手を対象とした「バウンディング能力と跳躍能力には関連がある」という仮説を設定しその検証を試みた。なお、陸上競技選手を対象とするのは立三段跳や立五段跳の動作習得が完成されているためその評価方法の妥当性が示されると考えられる。 研究の進捗状況として、H24年11月に大学陸上競技選手(短距離・障害・跳躍・投擲・混成)男子50名を対象に実験が終了した。測定種目は、機器購入(マルチジャンプテスタ・スピードトラップ)により測定が可能となったRJ(リバウンドジャンプ)、CMJ(カウンタームーブメントジャンプ)、垂直とび、30m走、50m走、その他の項目として立幅跳、立三段跳、立五段跳、立十段跳、ハンドボール投げ、メディシンボール投げ、無酸素パワーテストを測定した。現在、すべての被験者のデータ入力が終了し統計的手法を用いて仮説の検証および競技力や測定種目間での関連性を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度計画していた実験は終了し、現在はデータの分析の段階にある。購入した機器を最大限に活用し、順調に測定が終えることができた。なお、実験対象者が当初の予定50名より多くなり、有益なデータを得ることもできた。 自己点検の中で、改善点を上げるとするならば、データ分析を早々に行い、データを学会発表などで用いて、中間報告することができればとさらに良い評価ができると思われた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、大学陸上競技者のデータから立三段跳や立五段跳などのバウンディングの有効性を示したい。その上、対象者を小学生・中学生などと児童生徒に広げ、体力テストとの関連性も明らかにしたい。さらに、バウンディングの測定方法やマニュアルが作成できるよう実験を進めていきたい。体力要素の中で、パワーの重要性は重要であるが、その種目選択や測定方法についての指針を出すことは、コーチングにおいて重要なことである。特に本研究で扱う種目は、片脚での連続跳躍という運動様式は走る・跳ぶという動作に近いものであり、動きが伴うパワー項目としての価値があると思われる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究課題は「バウンディング能力の発達」横断的研究とした。本課題では、年齢によって各能力のパフォーマンスの差異が存在するのだろうか?また、男女による性差などの面からも検討し、幅広い年齢層を対象に横断的な測定を実施していきたいと考えている。本実験では、対象者を広くとらえ、主に小学生や中学生などを検討する。本対象者は、実験1(前年度実施)と同様の視点から測定を行い、さらに男女両方についても測定したいと考えている。その中で、立三段跳や立五段跳を発育発達や性差という視点から検討したい。特に、ある特定の年齢から跳躍距離に変化が見られる点や男女が生じる年齢層などを検証していきたい。 対象は、小学生・中学生、各学年男女30名とする。測定種目は、RJ、CMJ、垂直とび、立幅跳、立三段跳、立五段跳、立十段跳、50m走、ハンドボール投げ、メディシンボール投げ とする。なお、種目の中に技術性や発育発達の面から適切ではないと思われる種目については除外することしたい。また、本研究では、特に、学校現場で行われている「立幅跳」と本研究で重要性を提唱する「立三段跳」との比較にも着目し、学校現場への新しいフィールドテストとして、実施方法の簡易さから「立三段跳」の有効性を提唱したいと考えている。特に「立幅跳」「立三段跳」「立五段跳」の3種目については、発育発達段階と記録の変化や性差等の面から明らかにし、各年齢段階におけるコントロール値として進めていきたいと考えている。
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