2012 Fiscal Year Research-status Report
児童生徒の適応支援と発達支援を目指した身体活動プログラムおよび指導指針の作成
Project/Area Number |
24500756
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
北村 薫 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (60138360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今関 豊一 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (30353410)
田中 純夫 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (90286170)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スポーツ社会学 / 身体活動プログラム / 適応支援 / 発達支援 / 指導指針 |
Research Abstract |
1児童生徒の問題行動および発達的問題をスクリーニングするチェックリストの作成 (1) 教室内行動チェックリストの作成:児童生徒の学校内での適応状態を把握するために、学級担任が子どもの状況をチェックできるように作成されたSOS行動チェックリスト(石隈1999,安達2001)と軽度発達障害の問題により特化した「小学校通常学級担任向け子どもの行動チェックリスト」(宇野・中井,2009)をアレンジして発達的な評価を加えた教室内行動チェックリストを作成した。 (2) 自閉症スペクトラムをスクリーニングする指標(発達的問題の有無と教室内行動のチェックリスト)についての資料・尺度の収集と項目の精選:多動性障害のスクリーニングテストであるADHD-RS学校版、ODD-SCALE(山崎2003)や自閉症スペクトラム指数「The Autism-Spectrum Quotient: AQ」(Baron-Cohen,2001)の日本語版である自閉症スペクトラム指数児童用(若林2007)等を参考にして、現在の指標・尺度の持つ有効性と限界について検討した。 2 教育現場におけるチェックリストの適用 児童生徒の適応支援と教育相談を業務の中心とする市教育委員会の適応指導教室の職員により、通所する児童生徒を対象として特に軽度発達障害が疑われるような行動特徴について、一定の期間に行動チェックリストを用いてスクリーニングを行った。この行動チェックリストの実施と並行して、さらに特に自閉症スペクトラム障害であるかどうかを確認するために2段階のスクリーニングを実施した。1段階目としては観察可能な行動に対して発達的な問題があるかを検討するために、先に挙げられた行動チェックリストを基に改良したものを使用し、2段階目としては、軽度発達障害が疑われる可能性が高いものに対して自開症スペクトラム指数(AQ)による評価を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
チェックリストについては最新の研究を踏まえて、発達的な問題に根差した児童の問題性を把握するものと、発達障害の中でも自閉症スペクトラムの傾向を捉えるリストを用いて2段階でスクリーニングする方法の試案を作った。 実際に、千葉県内の教育委員会が設置している適応支援センターにおいて発達障害が疑われる児童生徒に対して、センターのスタッフが上記のチェックリストを実際に適用し、実際の状況(医師による診断や教師の行動評価)とおおむね一致している結果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
1 身体活動を取り入れた児童生徒の適応促進プログラムの作成 教師が、学校・学級における児童の状況によって、ロール・プレイングやブレインストーミング、ゲーム、日記指導等を駆使して、攻撃性の適正化や対人ストレスの低減を目指す。その際には、「フィークス」(PHEECS: Psychological Health Education in Elementary-school Classes by Schoolteachers)、ICPS(interpersonal cognitive problem-solving: Shure 1992)等を構造的に検討し、その中に身体活動をとり入れたプログラム案を作成する。 2 大学と教育現場の連携の確立 大学における教員養成機能を活かして、教員・大学生・大学院生が学校教育現場に参入し、上記の技法を基盤に据えて、①学級におけるチームティーチング形式で適応支援 ②休み時間の活動への参加と運動プログラムの実践 ③ピアサポートプログラムにおける身体活動を伴ったグループワークの実施による適応支援プログラムを提示し、公立小中学校や適応指導教室において実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)