2012 Fiscal Year Research-status Report
スポーツ集団における集団凝集性とメンタルヘルスの関連性
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24500757
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
広沢 正孝 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (60218831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 基樹 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (20360117)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スポーツ心理学 / 社会心理学 / スポーツ社会心理学 |
Research Abstract |
今度の研究実施状況については、概ね実施計画に即して進めることができたと考えている。平成24年度は、文献考証と評価尺度開発を到達目標に設定し、まず国内外のスポーツ集団を対象とした集団凝集性に関する研究を中心として、パフォーマンスや行動に影響を及ぼす他の社会心理学的概念、メンタルヘルスなどに関する研究を広くレビューした。その中で、改めてわが国と海外との研究動向には隔たりがあり、とりわけ集団凝集性研究については、海外のスポーツ心理学研究における主要な研究テーマの1つであるにも関わらず、研究実施に伴って起こり得る様々な弊害を懸念するあまり、近年では全くと言ってよいほど研究が進んでいないことが明らかとなった。そこで、そのような弊害を克服し、海外の研究動向に即した新たな集団凝集性研究の提案が急務であると考えられたため、集団・組織に関する多くの知見を蓄積する社会心理学領域の研究を再度レビューすることにした。その結果、Forsyth(2006,2010)が集団凝集性は「チームワーク」、「一体感」、「魅力」の3つの要因から構成されるという新たな集団凝集性モデルを提示しており、Kleinert et al.(2012)もスポーツ集団に関する介入研究のさらなる発展を目指す上で、スポーツ以外の研究領域の概念を導入することの重要性を指摘していることから、Forsythのモデルを援用し、3要因の中でも特に重要と考えられた「一体感」にフォーカスした研究を始動することにした。 現在は、スポーツ心理学の専門家や現場のコーチ、選手などから質問紙を通じてデータを集積し、チームの一体感を測定する評価尺度を開発中である。今後は、本尺度を用いて一体感と他の変数との関連などを検討していく予定であり、本研究がスポーツ心理学と社会心理学との学術的統合を促進するだけでなく、集団凝集性研究の発展に寄与することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記、研究実績の概要の中でも述べさせて頂いた通り、概ね順調に進展していると感じている。具体的には、①ある程度の文献考証に基づいて、スポーツ集団を対象とした新たな集団凝集性研究の着手に至ったこと、②スポーツ集団に関わるコーチや選手、またはスポーツ心理学に精通し、メンタルサポートを実践している専門家などから広く知見やデータを集積することができたこと、③現在投稿中ではあるが、スポーツチームの一体感に関する評価尺度の作成、ならびに一体感と他の心理的変数との関連を検討した論文の執筆に至ったことなどが挙げられる。 以上の理由から、本研究は概ね順調に進行しているのではないかと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、平成26年度も含め、主に以下の3つを進めていきたいと考えている。まず1つ目は、集団凝集性研究のさらなる発展と新たな研究方法の提起を少しでも認知してもらうために、国内外の学会に精力的に出向き、研究成果を広く報告することである。それを通じて、本研究の課題や盲点を洗い出し、本研究のさらなる洗練に努める必要があると考えている。2つ目は、一体感とパフォーマンスおよびメンタルヘルスとの関連を検討することである。スポーツの現場で科学が求められる理由は、多くの場合、選手やチームのパフォーマンス、動機づけの向上や心身の健康改善、維持などである。従って、集団凝集性や本研究のような一体感といった心理的概念が競技に関わるパフォーマンスやメンタルヘルスと関連することを明らかにすることで、スポーツの現場で役立つ新たな知見の提供に寄与する必要があると考えられるためである。3つ目は、1つ目と関連する内容であるが、本研究の研究成果を論文化し、広く社会に還元することである。 このように、今後は主に以上の3つの課題を随時進めていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の使用計画については、上記の今後の研究の推進方策でも述べた各課題の遂行に当たって研究費が必要であると考える。具体的には、今年度に得ることのできた研究成果を国内外で発表するための旅費や論文投稿に伴う投稿費が不可欠である。また、より良い研究の進行に伴い、各学問領域の専門家やアルバイトを召集するための人件費も挙げられる。さらに、最新の論文の閲覧、調査用紙の印刷などに伴う諸経費が必要であり、それらを研究費から出費し、円滑な研究課題の遂行につなげる計画である。
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Research Products
(2 results)