2013 Fiscal Year Research-status Report
地方自治体の生涯スポーツ振興計画の政策形成過程とその効果に関する国際比較研究
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24500758
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
野川 春夫 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (70208312)
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Keywords | 国際比較 / 地方自治体 / 生涯スポーツ / 政策形成過程 / 国際研究者交流 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
海外における生涯スポーツ振興政策に関する情報収集:平成24年度の課題として持ち越しとなっていた海外における生涯スポーツ振興政策のワークショップを平成25年2月に開催した。ブロック別・地域(市)レベルにおける生涯スポーツの振興計画に積極的に取り組んでいるベルギーのDr. Marc Theeboomを迎え、「Community sport policy making in Belgium」の発表に続き、日本の生涯スポーツ研究の第一人者である山口泰雄教授(神戸大学)が「Community sport policy making in Japan」発表した。また、文部科学省青少年スポーツ局スポーツ振興課の舟木泰世氏も「Comprehensive sport clubs in Japan」について発表し、前文部科学省青少年スポーツ局参事の長登健教授(順天堂大学)、笹川スポーツ財団の工藤保子課長と、東京都江東区スポーツ振興公社・相原実係長などがディスカッションに参加して有意義な情報交換ができた。 その他の諸外国の生涯スポーツ振興政策に関する情報交換:シンガポール南陽工科大学教授、韓国漢陽大学教授、台湾師範大学教授およびマレーシア大学准教授らと積極的な情報交換を進めた。 地方自治体の生涯スポーツ振興政策の効果に関する予備調査の実施:最初の計画では15の地方自治体を選定し、生涯スポーツ振興関連部署の担当者に対する質問紙調査と面接調査を実施する予定であった。だが今年度は、東京都を中心とした調査に切り替えたため、東京都広域スポーツセンターが推進している地域スポーツクラブ振興事業の効果測定についての調査研究の準備と予備調査を実施した。この予備調査は平成25年度の実施計画に沿った内容であり、平成26年度に実施予定の総合型地域スポーツクラブの振興政策に対する効果測定につながる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由:2010年のユース五輪(於:シンガポール)と2012年のロンドン五輪以降、英国・シンガポールは共に生涯スポーツよりも競技スポーツに大きな比重を置いており、生涯スポーツの振興政策に関してはアップデートされていないことが判明した。但し、シンガポールのVision 2030に関与しているDr. John Wangとは学会等で知己を深めているので、韓国、台湾、マレーシアに標的を変更して国際情報を収集している。 自治体調査に関しては、東京都を中心とした調査計画に切り替えたため、東京都広域スポーツセンターが中核となって推進している地域スポーツクラブ振興事業の効果測定についての調査研究の準備に時間を費やし、慎重に調査研究を進めるために予備調査の実施までとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は当初の予定を修正して、再度ベルギーの3都市(ブリュッセル、アントワープ、ゲント市)の地域スポーツクラブを中核とした生涯スポーツ振興計画の政策形成過程とその効果に関する情報を収集する。また、台湾・台北市、韓国・ソウル市、マレーシア・クアラルンプール市、タイ・バンコク市においても地域スポーツクラブまたは公共スポーツ施設における生涯スポーツ振興計画の情報を収集する。 国内では、総合型を含む地域スポーツクラブ振興事業に積極的な自治体を数か所選定し、量的調査と質的調査を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3回の海外出張(英国、シンガポール、デンマーク)がキャンセルとなったことと、日本国内における質問紙とインタビューの本調査を延期したため。 3回の海外出張(ベルギー、東南アジア、東アジア)と一度の国際パネルディスカッション(4-5か国の研究者または行政関係者)で約2/3の研究費を使用する予定。残りの1/3は、質問紙調査とインタビュー調査の費用とする。
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