2012 Fiscal Year Research-status Report
日常的身体活動とスポーツ振興のリンケージに関する研究ー自転車利用促進に着目してー
Project/Area Number |
24500759
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
海老島 均 成城大学, 経済学部, 教授 (60203650)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 オランダ / 自転車 / 身体活動 / スポーツ |
Research Abstract |
本研究で明らかにしていく観点として示した「自転車が都市交通の基盤を成し,日常的な「身体活動」および「スポーツ」として広く認知されている諸外国(特にオランダ)における生涯スポーツ振興策と自転車推進との関係性」に関しての調査研究を実施.日本国内では自転車関連の市民組織への聞き取り調査及び自転車関連イベントでの参加者へのインタビューを行った.オランダにおいては,以下の調査研究を実行. ①Amstelveen市の職員でありcity planning, public transport, bicycle policy, bicycle safetyの責任者であるWilko Wieffering氏にインタビュー(2012年8月30日). 聞き取りの観点は以下の通りである.1)自転車道を作るにあたってのポリシー 2)自転車道とまちづくりの関係性に関して 3)自転車の安全性に対する施策.②オランダにおける自転車活用の市民団体であるVelo Mondialの代表であるPascal van den Noort 氏にインタビュー (2012年8月31日). 観点は以下の通りである. 1)政府機関,地方行政機関との関係性 2)民間企業との関係性.③オランダ自転車協会(2012年9月5日)における聞き取り調査及び資料収集 1)自転車協会の組織構成 2)活動範囲および内容に関して分析を行った.④ユトレヒト大学のDr.Michel van Slobbe氏への聞き取り調査及び次年度研究の打ち合わせ(2012年9月7日):The Netherlands Institute for Sport and Physical Activityに対しての調査計画検討.オランダの自転車通勤者に対するアンケート調査は,上記Wieffering氏の協力のもと,AmsterdamとAmstelveenで実施,分析中.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オランダにおける聞き取り調査,資料収集,アンケート調査はほぼ予定通り遂行することができた.しかし,国内における自転車通勤者に対するアンケート調査は調整が難航し,本年度内に実施することはできなかった.一方国内における自転車関連のイベントにおける参与観察,聞き取り調査および自転車関連団体に関する聞き取り調査は,ほぼ予定通り終えることができた.国内における調査の機会を増やし本年度の遅れを取り戻し,計画書に記載された予定通りの到達目標に向けて,次年度の調査研究計画の調整を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
オランダでの追加調査,さらに日本国内での聞き取り調査,参与観察,アンケート調査を遂行し,研究計画に示したように,下記の点で日本とオランダの比較を試みる.①自転車を日常的に利用している市民の利用実態,意識,スポーツ実践度(自転車に限定せず)②自転車をスポーツとして取り組んでいる市民の日常的な自転車利用実態,意識 ③自転車促進に取り組んでいる行政機関およびNPOなどの民間組織の活動の現状と課題 ④国または地方行政機関におけるスポーツ振興策における日常的な「身体活動」の扱われ方 この比較検討をもとに中間報告書をまとめていく.観点としては,以下の点である.1) 日常生活における自転車利用を「身体活動」の領域に高める社会的条件および利用者の意識における特徴 2) 日常生活における自転車利用が「スポーツ」としての自転車利用に昇華する社会的条件および利用者の意識 3) 日常的な自転車利用および「身体活動」促進をプロモートしている社会的組織の取り組み例およびその哲学(日本とオランダの比較文化論的観点から)4) 日常的な「身体活動」とスポーツを連動させたスポーツ振興策を策定する有効性およびスポーツ環境(トップレベルから一般市民レベルまで)に与える影響. この中間報告書をもとに,3年目の補足調査を行い,最終的なまとめへと進めていく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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