2014 Fiscal Year Annual Research Report
ウエイトリフティングにおける競技力と筋の分布および出力特性
Project/Area Number |
24500761
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岡田 純一 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (10277791)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ウエイトリフティング / 筋力 / パワー / 筋厚 / 筋断面積 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はウエイトリフティング選手の競技力の差違に影響する筋厚、筋量や筋出力に関する因子を明らかにすることを目的とした。 競技力、除脂肪体重と筋厚分布に関する横断的検討として、超音波法による筋厚測定を通じて筋厚の分布と競技力の関係について検討した。全国高校選抜大会出場者51名(男子31名、女子20名)を対象とし、超音波画像診断装置による筋厚測定(前腕部,上腕前部,上腕後部,腹部,下背部,大腿前部,大腿後部,下腿前部,下腿後部の計9カ所)を実施した。あわせてインピーダンス法を用いて身体組成(体重、体脂肪率、除脂肪体重)を評価した。また、前年のパイロットスタディから、ナショナルチーム男女20名のデータを検討に加えた。さらに、高校、大学および成年の国内トップ選手22名(男子13名、女子9名)を対象として、MRI による下肢、体幹、上肢の筋断面積を測定した。筋出力については、①膝および体幹の等速性筋力および肘関節の等尺性筋力を測定した。②多関節運動として競技模擬動作中のパワーを評価した。主な結果として、男子においては、ナショナル選手の内転筋群の筋厚が高校生選手に比べて高い値を示した。女子においては、ナショナル選手のハムストリングスおよび内転筋群の筋厚が高校生選手に比べて高い値を示した。男子および女子において、大腿四頭筋の筋厚には、競技レベルによる相違は認められなかった。これら男子および女子選手における下肢筋厚の横断的な検討から、高校生選手とナショナル選手との下肢筋群の形態的相違は大腿後面に示された。競技試技(スナッチ)におけるバーベルの引き上げ動作のパワー発揮に対する下肢の貢献度において、膝および足関節伸筋群は約30%程度であるのに対して、股関節伸筋群は約60%になると報告していことから、高校生期において大腿後部の筋量増加を目的としたトレーニングの重要性が示唆された。
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