2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500775
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
増見 恭子(小泉恭子) 武庫川女子大学, 薬学部, 助手 (70379593)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スポーツ科学 / トレーニング科学 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
スポーツ選手にとって靱帯損傷などの故障は人生設計の変更を伴う重大事件であるが、現在までにそれら筋疾患のなりやすさを予測するような遺伝子は発見されていない。もし筋疾患などの故障リスクが予測できれば、事前にトレーニングの計画を工夫し、より故障の起こりにくい内容で鍛えることが可能となる。今回、靱帯損傷など の故障リスクを予測し予防すること、そして個人の筋特性を知ることでより効果的なトレーニングを行うことを目的としてACTN3遺伝子などのスポーツ関連遺伝子検査およびアンケート調査、体力測定を実施することとした。 1.健康スポーツ科学部学生によるスポーツ体質検査 今年度は、運動部員約100名を対象に遺伝子検査及び、アンケート調査を実施し、同時に体力測定も実施した。遺伝子検査は、インフォームドコンセントに同意した学生に唾液を水溶紙に添加してもらい、その水溶紙を風乾した後、PCR-RFLP法もしくはTaqMan法により、遺伝子の多型解析を行った。また対照群として、本学薬学部生2,3年生約200名も対象に唾液を採取し、遺伝子検査及びアンケート調査を実施した。 2.靱帯損傷等の筋疾患の危険予測診断 大阪大学病院に通院もしくは入院する筋疾患患者を対象としてスポーツ関連遺伝子検査を実施するため、大阪大学医学部整形外科の医師と今後の研究の協議を行った。その結果、今後の研究方針として次の2本立てで行くことを決定した。現在、大阪大学での倫理審査委員会の承認を待っている状態である。【外傷別の解析】外傷の種類によって遺伝子型とどう関わるかを解析する。サブグループとして年齢、性別、スポーツ種目別についても解析を行う。【術後という強制的に筋力低下をきたした状態からの回復への関与】遺伝子型によって筋力回復にどれだけ差が出るかを解析する。サブグループとして、リハビリの強度、内容についての影響なども勘案する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.健康スポーツ科学部学生によるスポーツ体質検査 今年度は、ソフトボール部、バトミントン部、バスケットボール部、タッチフットボール部に在籍している1年生~4年生の運動部員約100名を対象に遺伝子検査及び、アンケート調査を実施し、同時に体力測定も実施した。遺伝子検査は、インフォームドコンセントに同意した学生に唾液を水溶紙に添加してもらい、その水溶紙を風乾した後、PCR-RFLP法もしくはTaqMan法により、遺伝子の多型解析を行った。運動部によってオンシーズン、オフシーズンが異なるため、その合間を縫って協力してもらうために必要以上に時間がかかっている。また、対照群として、本学薬学部生2,3年生約200名も対象に唾液を採取し、遺伝子検査及びアンケート調査を実施した。 2.靱帯損傷等の筋疾患の危険予測診断 大阪大学病院に通院もしくは入院する筋疾患患者を対象としてスポーツ関連遺伝子検査を実施するため、大阪大学医学部整形外科の医師と会合を開き、今後の研究の協議を行った。その結果、今後の研究方針として以下の2本立てで行くことを決定した。現在、大阪大学での倫理審査委員会の承認を待っている状態である。 ・【外傷別の解析】外傷の種類によって遺伝子型とどう関わるかを解析する。サブグループとして年齢、性別、スポーツ種目別についても解析を行う。 ・【術後という強制的に筋力低下をきたした状態からの回復への関与】遺伝子型によって筋力回復にどれだけ差が出るかを解析する。サブグループとして、リハビリの強度、内容についての影響なども勘案する。
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Strategy for Future Research Activity |
1.健康スポーツ科学部学生によるスポーツ体質検査 平成25年度以降の運動部によるスポーツ体質検査に関しては、既に解析を行った部に関しては新入部員のみを対象に同様に体力測定を実施し、同時に遺伝子検査及びアンケート調査を実施する。また、前年度には協力が得られなかった運動部に関しては、できるだけ全員からサンプリングを行う予定である。今回のスポーツ関連遺伝子のうちACTN3は、 既に速筋線維と関連があるという報告があり、遺伝子タイプと自身の種目で適性が異なるという結果も考えられる。学内には運動能力と職業がリンクしている学生もいる。検査結果で将来を悲観することのないように、事前 のインフォームドコンセントを含めた情報提供のみならず、健康・スポーツの研究分担者を通じての遺伝子カウンセリングを行う予定である。そのため、既に在籍している2~4年次運動部員に関して結果を個人に返し、必要に応じて遺伝子カウンセリングを行うほか、筋疾患等の追跡調査を行い、新たに受傷した場合、データを蓄積していく。また、 ACTN3遺伝子解析結果に応じて、ACE遺伝子・UCP遺伝子などの他のスポーツ関連遺伝子の解析も行う予定である 。 2.靱帯損傷等の筋疾患の危険予測診断 平成24年度に引き続き、大阪大学医学部整形外科と連携し、阪大病院に通院もしくは入院する筋疾患患者を対象としてスポーツ関連遺伝子検査を実施し、サンプルを収集できるようシステム作りを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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