2014 Fiscal Year Annual Research Report
低頻度疲労の特徴とそのメカニズム-カルシウム濃度調節タンパクに着目して-
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24500788
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
和田 正信 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (80220961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 智 宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (70221588)
矢中 規之 広島大学, 生物圏科学研究科, 准教授 (70346526)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 筋疲労 / スキンドファイバー / 活性酸素種 / 筋小胞体 / 筋原線維 / 還元型グルタチオン / 酸化的修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,疲労収縮後の回復期における低頻度疲労の原因を経時的に検討し,1) 100 Hz誘因性張力に対する20 Hz誘因性張力の比は,低頻度疲労誘因刺激(以後,疲労刺激と記載)6時間後まで低下すること,2) 筋原線維のCa2+感受性(以後,Ca2+感受性と記載)は,疲労刺激直後および6時間後では低下するが,疲労刺激0.5および2時間後では低下がみられないこと,3) トロポニンIに結合する還元型グルタチオンの量は,疲労刺激0.5および2時間後では増加するが,疲労刺激6時間後ではコントロールのレベルに戻ること,4) 疲労刺激0.5および2時間後では,細胞膜剥離筋線維におけるカフェイン感受性は低下すること,および 5) リアノジン受容体に結合するFKBPの量は検討した全ての期間を通して変化しないことが観察された. これらの結果は,1) 低頻度疲労が生じる要因は回復期の時間経過によって異なり,Ca2+感受性の低下による場合と,筋小胞体リアノジン受容体からのCa2+放出が低下する場合とがあること,2) Ca2+感受性の変化に,還元型グルタチオンと収縮タンパクとの化学的反応が関与すること,3) Ca2+放出が低下する要因の1つがリアノジン受容体の機能の低下にあること,および 4) Ca2+放出の低下に,リアノジン受容体へのFKBPの結合は関与しないことを示唆する. 本研究の結果から,1) 低頻度疲労を軽減するためには,細胞内に存在する還元型グルタチオンの量を高めること,および 2) 筋細胞の抗酸化能力を亢進することが有効であると考えられる.
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[Journal Article] Contribution of impaired myofibril and ryanodine receptor function to prolonged low-frequency force depression after in situ stimulation in rat skeletal muscle2015
Author(s)
Watanabe, D., Kanzaki, K., Kuratani, M., Matsunaga, S., Yanaka, N. and Wada, M.
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Journal Title
Journal of Muscle Reearch and Cell Motility
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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