2013 Fiscal Year Research-status Report
ラット脳出血モデルにおける運動プレコンディショングの効果とその解析に関する研究
Project/Area Number |
24500790
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
住谷 和則 香川大学, 医学部, その他 (40294772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 丈洋 香川大学, 医学部, 准教授 (80419506)
三木 崇範 香川大学, 医学部, 准教授 (30274294)
岡田 宏基 香川大学, 医学部, 教授 (00243775)
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Keywords | 軽運動 / プレコンディショニング / 脳神経細胞 / マイクログリア |
Research Abstract |
現在の医療現場では、疾病予防・健康増進も推進され、脳出血のリスクファクターである高血圧症の予防・治療で、運動療法がよく用 いられ、運動による高血圧の予防は、脳出血の予防や脳出血発症程度の軽減の可能性があり、そのうえ最近では運動プレ コンディショングという概念もあり、抗酸化作用が疾患耐性を有する可能性がある。よって二次的損傷の要因である酸化的障害の抑制 のために抗酸化能力の向上が出来れば、脳神経細胞の損傷が軽減され、機能回復期間も短縮されることは想像できる。 本研究では、我々の先行研究にもとに、ラットを用いて発症後ではなく発症前に運動プレコンディショングとして軽運動を行い、運動 プレコンディショングの状態をつくり、脳神経系に与える影響について組織学的・行動学的に検討し、脳出血への耐性が明 らかになれば、臨床現場において疾病予防として大きな意味を持つのではないかと考えている。そこで、今年度も運動プレコンディシ ョングの状態の検討及び運動後の脳神経細胞への影響の解析, ラットの日常における行動量について測定・解析を行 った。 運動プレコンディショングの状態把握は非常に重要なので、研究初年度に引き続きその確立を目指した。昨年度同様の条件で8週齢の若年ラット を運動群(トレッドミル軽運動)、非運動群の2群に分け、平常時のラットの活動期行動量を用いて測定した。それをもとに運動前(1 週間)、運動中(3週間)、運動後(1週間)の2群間で比較検討した。運動群のみ運動中に行動量が若干増加傾向だったが、有意な差 は見られなかった。48週齢の老齢ラットでも昨年度同様に行ったが2群間に有意な差は見られず、逆に運動群のみ運動中に行動量が若干減少 傾向も同様だった。脳神経細胞の組織学的変化は若干見られたが変化には乏しかった。以上によりプレコンディショニングの再検討及び組織学の再検討が必要であることが わかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の若干の計画変更した通り、運動プレコンディショニングに焦点を当て、軽運動下における運動プレコンディショニング検討を行った。このプレコンディショニング検討の段階では、酸化ストレスやストレスホルモンの影響は少なく、問題はないものと思われた。我々の先攻研究において軽運動下では脳神経細胞においてはあまり変化が見られないことから判断し、今回もやはり脳神経細胞の解析よりは、行動量を重視した。そこで、人では高血圧症が起こりやすい老齢期に注目し、軽運動が有効であると知られている老齢ラットのプレコンディショニング検討を行った。 結果としては、若干の変化は見られたが各群間に有意な差が無く、予想とは若干違っていた。そのため、再度運動条件を検討しつつ、行動量の測定にも再検討をし、個体数を増やすことで詳細で正確なデータを集積する必要があることがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度計画の実験に遅れがあったので、この年度で適宜追加実験を行う。特に運動プレコンディショングの条件設定はすべての解析に 影響するので、実験計画の若干の変更を行い、行動量との関係を明確にする。必要とあらば、生理学的指標(血中乳酸値)も測定し、 比較検討を行う。 運動プレコンディショニング状態を確立できたのなら、脳出血耐性の有無を検討する予定である。 脳出血は臨床的に出血に伴う脳浮腫および片麻痺が問題になる。そこでモデル動物作成後の急性期(1~7日)では、出血に伴う浮腫 を乾燥重量法で脳を測定し、浮腫の軽減の有無を確認する。軽減されているのならば、半身麻痺程度も軽減されると予想し、Corner T urn Test, Forelimb Placing Testを用いて半身麻痺を評価する。さらに発症直後から長期的に神経行動学的検査を行い、片麻痺の状 態を検討する。片麻痺の検討は、後遺症の程度を反映するので、重要な検討項目である。 その際にも、1日の行動量は変化することが予測でき、その裏付けとなりうるので、測定し解析する予定である。 また脳神経細胞の耐性についてもマイクログリアに注目して組織学的検討も追加したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究が当初の計画より遅れているため、週1~2回程度実験助手を雇うため。 実験助手用
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