2012 Fiscal Year Research-status Report
リン酸カルシウム複合化腱を使用したヤギ解剖学的2重束前十字靭帯再建術の効果
Project/Area Number |
24500792
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
六崎 裕高 茨城県立医療大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50550927)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リン酸カルシウム複合化腱 / 解剖学的前十字靭帯再建 |
Research Abstract |
ヤギ(ザーネン種、メス)22頭を使用し、3群に分けて下記手術を7頭ずつおこなった。1頭は手術術式確認のため使用した。 ・解剖学的前十字靭帯1重束再建、リン酸カルシウム複合化腱非使用(N=7) ・解剖学的前十字靭帯1重束再建、リン酸カルシウム複合化腱使用(N=7) ・解剖学的前十字靭帯2重束再建、リン酸カルシウム複合化腱使用(N=7) リン酸カルシウム複合化は、移植腱の関節内部分をマスキングした後、カルシウム溶液50cc(100mM CaCl2+30mM L-histidine)とリン酸溶液50cc(116.4mM NaH2PO4:128.7mM Na2HPO4・12H2O=15%:85%)にそれぞれ30秒ずつ、10回交互浸漬した。各溶液浸漬後に生理食塩水で移植腱表面を洗浄した。手術は全身麻酔下に右膝を展開し、前十字靭帯を切除後、大腿骨、脛骨の前十字靭帯付着部に骨孔を開けた。移植腱は同側足の屈筋腱を採取し、それぞれ2重折として骨孔に移植した。大腿骨側はエンドボタン、脛骨側はポストスクリュー固定を行った。術後は外固定をせず、フィールド内を自由に歩行できるようにした。抗生物質は術後3日間投与した。術後の感染兆候や右膝の腫脹もなく、創部の治癒も良好であった。術後数週間は患側下肢に荷重は困難であったが、その後は全荷重歩行が可能となり、歩行に制限はみられなくなった。術後の観察期間中に脱落したヤギはなく全頭が良好な歩行状態を維持できていた。本手術方法、術後ケアが適切であったと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、年度内にヤギ全頭の手術が施行でき、途中で脱落するものもなく、順調に進展した。追加手術を施行する個体もなかった。以上から、年度内にヤギ全頭の手術が完了できた。
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Strategy for Future Research Activity |
指定の期間ですべてのヤギを屠殺し、右膝を取り出す。取り出した膝関節は大腿骨近位から脛骨遠位まで不要な軟部組織を切除し、実験までは、生理食塩水を含ませたガーゼで覆い-20℃で冷凍保存する。取り出した右膝は、6自由度を有するUFSロボティックシステムに接続する。膝最大伸展、屈曲60度、屈曲90度において、脛骨にそれぞれ前方力50N、内旋モーメント2.5Nmを加えた際の脛骨の移動量と移植腱に生じた張力を算出する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ヤギ屠殺費用。 UFSロボティックシステムに接続するための骨セメント購入費用等の消耗品費。 UFSロボティックシステム使用費用。
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