2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500799
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
木目 良太郎 東京医科大学, 医学部, 講師 (90366120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村瀬 訓生 東京医科大学, 医学部, 講師 (10317894)
庭山 雅嗣 静岡大学, 工学部, 准教授 (40334958)
長田 卓也 東京医科大学, 医学部, 講師 (60297281)
勝村 俊仁 東京医科大学, 医学部, 教授 (80214352)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 筋酸素動態 / 筋エネルギー代謝 / 近赤外分光法 / 磁気共鳴分光法 / 不均一性 / 膝伸展運動 |
Research Abstract |
平成24年度の研究目的および研究実施計画:多チャンネル型近赤外線分光法装置(Multi-NIRS)を用いて平面的な酸素バランスの不均一性については検討されているが,深さ方向分析も加えて酸素バランスを3次元的に解析した研究はこれまでに殆ど行われていない.また,筋細胞内のPCr濃度はミトコンドリアの酸素需要レベルを反映しており,近年我々は筋内PCr濃度分布の3次元的計測に成功した事から,この筋内PCr濃度分布と筋組織酸素バランスの動態を併せて計測することで,酸素需要と酸素供給のマッチング・ミスマッチングについて3次元的に言及することが可能と考えられる.そこで,今年度の目的は,Multi-NIRSの開発およびMRボア内で行う膝伸展運動用エルゴメーターの製作に取りかかり.Multi-NIRS装置の開発後は,まず安静時mVO2の部位差について3次元的解析を行う.膝伸展運動用のエルゴメーターの製作終了後は,MRボア内での実用面の確認を行った後,被験者数名を対象としてMRシグナルの感度を調べる予備実験を行う.それと並行して,動的膝伸展運動時における筋酸素バランスの3次元的計測についても検討する. 平成24年度の研究成果:MRボア内で実験を行うための膝伸展運動エルゴメーターの製作が終了し,当該年度末までに12名の被験者を対象として膝伸展運動時における筋内PCr分布の計測を行った.解析も同時に進めているが,解析に関しては現在までのところ6名しか終了していない.一方,深さ方向計測用の近赤外線分光装置(NIRS)に関しては,深部組織のシグナル感度が非常に弱いので,これまで殆どのNIRS装置用いられている散乱光よりも透過光の方がより安定したシグナルを検出できると考え,現在は透過光を用いた深部組織の筋酸素動態を計測する装置を作成中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究目的は,①Multi-NIRSの開発,②MRボア内で行う膝伸展運動用エルゴメーターの製作,③動的膝伸展運動時における筋酸素バランスの3次元的計測であった. 上記の研究目的のうち,②に関しては平成24年度初頭に製作が終了し,平成24年度の夏頃からMRボア内での動的膝伸展運動を行えるようになった.それに伴い③の動的運動時における筋内エネルギー代謝の深さ方向解析も始まり,現在までに12名の被験が測定を終えており,そのうち6名に関してはデータ解析も終了している.①の深さ方向計測用の近赤外線分光装置(NIRS)の製作の件だが,深部のシグナル感度が想定していた以上に弱いので,これまで殆どのNIRS装置用いられている散乱光よりも透過光の方がより安定したシグナルを検出できると考え,現在は散乱光よりもより感度の高い透過光を用いて深部の筋酸素動態を検出できる装置を開発している最中である.こちらに関しては,平成25年度の夏頃に完成する予定となっている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,現在進行しているMR内での動的運動時における筋内エネルギー代謝の深さ方向解析を継続し,被験者の合計が15名程度になるまで実験を行う.それと同時に計測されたNMRデータの解析も随時進める. また,深さ方向計測用の近赤外線分光装置(NIRS)が平成25年度の夏頃には完成する予定となっているので,こちらに関しても動作確認および予備実験が終了次第,速やかに運動時における筋酸素動態の深さ方向解析に取りかかる.筋酸素動態の深さ方向解析終了後,当教室が担当している東京医科大学心臓リハビリテーションセンターに通院している心疾患患者を対象として,循環機能が低下している方を対象とした筋エネルギー代謝の深さ方向解析へと取りかかる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在進行しているMR内での動的運動時における筋内エネルギー代謝の深さ方向解析を引き続き継続するため,被験者への謝金,放射線技師への謝金に研究費を使用する.また,深さ方向測定用のNIRS装置の開発を静岡大学工学部の庭山雅嗣准教授に依頼しているため,その装置の製作にかかる費用,装置開発のための打ち合わせ,NIRSを用いた実験の被験者への謝金にも研究費を使用する.さらに,得られた研究成果を海外で発表するための学会出張費用にも研究費を使用する.
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