2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500799
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
木目 良太郎 東京医科大学, 医学部, 講師 (90366120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村瀬 訓生 東京医科大学, 医学部, 講師 (10317894)
庭山 雅嗣 静岡大学, 電子工学研究所, 准教授 (40334958)
長田 卓也 東京医科大学, 医学部, 講師 (60297281)
勝村 俊仁 東京医科大学, 医学部, 教授 (80214352)
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Keywords | 筋エネルギー代謝 / 不均一性 / 膝伸展運動 / 筋酸素動態 / 磁気共鳴分光法 / 近赤外線分光法 |
Research Abstract |
我々は,一昨年度に,リン磁気共鳴分光法による化学シフトイメージング(CSI)を用いて,各ボクセル単位でリンスペクトルを同時計測し,膝伸展運動時における大腿部筋エネルギー代謝の深さ方向について検討した.その結果,深層部は運動頻度の増加に伴いPi/PCr比が増加し,最高頻度の運動時では浅層部に比べて有意にPi/PCr比が増加した.一方,浅層部のPi/PCr比は運動頻度の増加に伴う顕著な変化は観察されなかった.ヒト単一筋内においては浅層部に比べて深層部の方が遅筋線維の占める割合が大きいと報告されていることから,運動強度の増加に伴い浅層部の方がより顕著にPi/PCr比が増加するという仮説を持っていたが,それとは異なる結果が得られた.しかしながら,一昨年度に実施した運動負荷は運動頻度を増加させる形態だったので,速筋線維の多い浅層部の筋群が動員されにくくなったとも考えられるので,昨年度は10%MVCから運動負荷を次第に増加させるプロトコールで実験を行った.健康成人男性16名(28±5歳)を対象に,被験者は腹臥位で大腿四頭筋をベッドに固定され,ストレインゲージを用いて大腿四頭筋のMVCを測定した.同肢位でNMR装置内にて10%-30%MVCの等張性膝関節伸展運動を0.5Hzで6分20秒行った.その結果,運動負荷の増大に伴い浅層部,深層部ともにPi/PCr比が増大したが,最大運動時におけるPi/PCr比は深層部に比べて浅層部の方が有意に高かった.本研究の結果から,膝進展運動時における大腿筋エネルギー代謝の深さ方向にも部位差が生じている事が確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、まずは①筋エネルギー代謝の不均一性の検出,②運動時における筋エネルギー代謝不均一性の検出,③NMR内で運動を実施する事から,漸増負荷運動装置を外注する必要があったので,まずは簡易的な運動負荷としてラバーバンドによる運動頻度の増加によりNMRスペクトルの導出を確認した後,NMR内で実施できる膝伸展運動用エルゴメータを制作し,実験を実施した.ここまでは当初の予定通りに遂行している.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,筋エネルギー代謝の深さ方向の違いと合わせて,筋酸素動態の深さ方向の違いも計測出来るように試みている.現在,静岡大学工学部の庭山雅嗣准教授と共同で,近赤外線分光法とNMRを用いて筋酸素動態の深さ方向の検出に取り組んでおり,今夏に実験を開始できる予定となっている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
一昨年度、昨年度は主にNMRを用いた筋エネルギー代謝の深さ方向の違いについて検討してきたが、当初の予定では、それと同時に筋酸素動態の深さ方向の違いについても合わせて検討する予定であった。ところが、測定装置の開発に遅れが生じた事に加えて、近赤外線分光法を用いて筋酸素動態の深さ方向の違いを検出するには、運動時における活動筋群の形状変化をモニターする必要がある事が判明したため、その方法について色々と模索していた。運動中の筋形状の変化を超音波装置でモニターするにはあまりにもプローブの検出範囲が狭くて非現実的であるため、それに代わる方法をNMRやCTを用いて検討してたため、近赤外線分光法を用いた研究が進まなかった事が最大の理由である。 上記の理由から近赤外線分光法を用いた筋酸素動態の深さ方向の部位差についての検討が遅れていたが、運動中の筋形状の変化はNMRかCTを用いて測定出来る可能性が高まったので、今夏から再開する近赤外線分光法を用いた筋酸素動態の深さ方向の検討を中心に研究費を使用する予定である。
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