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2013 Fiscal Year Research-status Report

子どもの覚醒水準を高める朝の身体活動プログラムの開発

Research Project

Project/Area Number 24500808
Research InstitutionNippon Sport Science University

Principal Investigator

野井 真吾  日本体育大学, 体育学部, 教授 (00366436)

Keywords小学生 / 覚醒水準 / 棒反応 / フリッカー / go/no-go課題 / 生化学的指標
Research Abstract

本研究は,子どもの日中の覚醒水準を高めるために小学校現場で実現可能な朝の身体活動プログラムを開発することを最終的な目的としている.現時点で得られた主な知見は,以下の通りである.1)覚醒水準の指標としての棒反応測定の信頼性と妥当性を検討した結果,最大値と最小値を除く3測定値間には大差がみられず,そのICCは0.658と中程度の検者内信頼性が示された.加えて,フリッカー値と棒反応値との間には有意な負の中程度の相関関係が認められた一方で,10分間の走行運動による両測定値の変化率は,フリッカー値よりも棒反応値の方が大きい者が有意に多い様子も示された.このような結果は,フリッカー測定に比べて棒反応測定の方が覚醒水準をより鋭敏に捉えていることを示唆していると考えられた.2)種々の朝活動が小学6年生の覚醒水準に及ぼす影響について検討した結果,静的な活動日に比して動的な活動日の棒反応値の変化率が有意に高値を示した.併せて,「楽しい」と感じる活動はそれ以外の活動に比べて,棒反応値の変化率が有意に高値を示す様子も示された.このような結果は,子どもの覚醒水準を高めることを目的とした朝の身体活動プログラムの開発に際しては,一定の身体活動量を確保しつつ,子ども自身の主体的な活動を創造すべきであることを示唆していると考えられた.3)小学生における高次神経活動と生活状況との関連を検討した結果,登校後に10分間以上の身体活動を実践している者および朝の身体活動プログラムを実践している学校では,近年心配されている「不活発型」や「興奮・抑制型」の割合が有意に低値を示す様子が示された.このような結果は,10分間程度の朝の身体活動プログラムでも子どもの覚醒水準を高める可能性を示唆していると考えられた.以上の他,本研究では朝の身体活動プログラムの検証に有効な生化学的指標についてもそれを明らかにしたいと考えている.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成24年度は,小学生における日中の覚醒水準の実態および学校現場でも測定可能な子どもの覚醒水準の生理・生化学的指標について検討することが目的であった.そのような計画のもとに行われた諸調査では,子どもの覚醒水準の生理的指標として棒反応測定の有効性を確認することができた.この点は,予定通りの研究成果であり,順調な進展といえる.ただし,生化学的指標については,これを明らかにしきれなかった.この点は,その後も未解決の課題であり,平成26年度に予定されている朝の身体活動プログラム案の作成,実践,検証において,予算の範囲内で再検討したいと考えている.
平成25年度は,小学校現場における朝の動的活動(鬼ごっこ,ジョギング,屋外遊び),静的活動(読書,学習)の実施日および非実施日の日中の覚醒水準を比較することが目的であった.そのような計画のもとに行われた諸調査では,動的活動や子ども自身が「楽しい」と感じる主体的な活動が子どもの覚醒水準を高める可能性を確認することができた.併せて,登校後に10分間以上の身体活動を実施している子どもや朝の身体活動プログラムを実践している学校では,近年心配されている「不活発型」や「興奮・抑制型」の割合が有意に少ない様子も確認することができた.以上の諸点は,当該年度における予定通りの研究成果であると考える.

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進方策については,当初の計画に大きな変更はない.すなわち,平成26年度(最終年度)は,子どもの覚醒水準を高めるための朝の身体活動プログラム案を作成し,それを実際の小学校現場で実践した上で,その成果と課題を生理・生化学的指標を用いて検証する.以上の検討を踏まえて,子どもの日中の覚醒水準を高まるために小学校現場で実現可能な朝の身体活動プログラムを提示する予定である.

  • Research Products

    (6 results)

All 2014 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (5 results)

  • [Journal Article] 種々の朝活動が子どもの覚醒水準に及ぼす影響:棒反応測定の結果を基に2014

    • Author(s)
      壱岐昌広,野井真吾
    • Journal Title

      運動・健康教育研究

      Volume: 22 Pages: 15-25

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 最近の小学生における高次神経活動の特徴と夕方から朝にかけての生活状況との関連2014

    • Author(s)
      鹿野晶子,下里彩香,野井真吾
    • Organizer
      日本発育発達学会第12回大会
    • Place of Presentation
      大阪成蹊大学
    • Year and Date
      20140315-20140316
  • [Presentation] F小学校における朝の「ワクワクドキドキタイム」の効果検証:go/no-go課題への反応を指標として2013

    • Author(s)
      鹿野晶子,野井真吾
    • Organizer
      第60回日本学校保健学会
    • Place of Presentation
      聖心女子大学
    • Year and Date
      20131116-20131117
  • [Presentation] 子どもと親の唾液メラトニン代謝は相似している2013

    • Author(s)
      野井真吾,鹿野晶子,下里彩香
    • Organizer
      第60回日本学校保健学会
    • Place of Presentation
      聖心女子大学
    • Year and Date
      20131116-20131117
  • [Presentation] 子どもの高次神経活動の特徴に関する検討:go/no-go実験による型判定と陽性条件刺激に対する反応時間・反応の大きさに注目して2013

    • Author(s)
      鹿野晶子,野井真吾
    • Organizer
      日本幼少児健康教育学会第32回大会[秋季:岡山大会]
    • Place of Presentation
      山陽学園大学
    • Year and Date
      20130915-20130916
  • [Presentation] 朝活動の違いが子どもの覚醒水準に及ぼす影響:小学6年生を対象として2013

    • Author(s)
      壱岐昌広,野井真吾
    • Organizer
      日本幼少児健康教育学会第32回大会[秋季:岡山大会]
    • Place of Presentation
      山陽学園大学
    • Year and Date
      20130915-20130916

URL: 

Published: 2015-05-28  

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