2013 Fiscal Year Research-status Report
児童生徒の危険予測・回避能力育成に基づく防災教育フレームワークの構築
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24500810
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
渡邉 正樹 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (10202417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 芳雄 東京女子体育大学, 体育学部, 教授 (00578859)
森 良一 国立教育政策研究所, その他部局等, 研究員 (50515210)
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Keywords | 防災教育 / 地震災害 / リスク認知 / 小学生 / 介入研究 |
Research Abstract |
まず,小学校高学年児童(5,6年生)を対象に,地震災害および避難行動の知識,防災の意図および地震災害に関するリスク認知等の関連を明らかにすることを目的とする調査を実施した。方法は,神奈川県K市の小学校に在籍する5年生,6年生を対象として質問紙調査を平成25年11月~12月に実施した。質問項目は,①地震災害の知識,②避難行動の知識,防護動機理論(protection motivation theory)に基づき,③地震災害のリスク認知,④防災の意図(防護動機),⑤避難行動の自己効力感,⑥反応効果(避難行動の効果)である。なお,ここでのリスク認知は,災害の発生可能性と災害の重大さの2つの認知で構成した。調査対象者は1,388人で有効回答は1,346人(97.0%)であった。主な結果は,リスク認知,避難行動の自己効力感そして反応効果が防災の意図を高めることが示唆され,避難を中心とした防災教育は知識の学習から改善を図ることが必要と思われた。 次いで,小学校5年生を対象として,防災教育を体育科保健領域「けがの防止」で実施した。授業は単なる災害の学習に止まらず,災害の状況を自分で判断し,主体的に避難することを目指す内容を含んだ。授業は平成26年2月に,授業クラス2クラス(80人),対照クラス2クラス(80人)で実施し,事前事後に質問紙を用いて,地震災害のリスク認知,地震災害の知識,避難行動の知識,自己効力感,反応効果,防災の備え等について調べた。授業効果については,平成26年4月以降も追跡調査を実施する予定であり,その上で教育効果について分析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小学生の調査の実施分析,授業研究は予定どおり終了した。中学生についての調査は実施は終了したが,分析は平成26年度に実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度はこれまでの調査,介入研究の分析と論文化を進めるとともに,高校生において平成25年度に実施した調査と同様の調査を実施する。また学校の防災教育の課題に関する大規模な調査を実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年には小学生,中学生を対象とした調査を実施したが,予定していた高校生の調査が平成26年となった。また平成25年度に実施した授業研究の分析が平成26年度になったため,予算を繰り越すこととなった。 平成26年度には予定している研究を実施するとともに,平成26年度に繰り越した分析を実施する予定である。
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Research Products
(1 results)