2013 Fiscal Year Research-status Report
息こらえ潜水者の行動と生理学的側面から見た安全システムの提案
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24500811
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
千足 耕一 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (70289817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 浩一 日本女子大学, 家政学部, 助教 (10287815)
山川 紘 東京海洋大学, 学内共同利用施設等, 教授 (80017061)
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Keywords | 息こらえ潜水 |
Research Abstract |
潜水漁業者の潜水障害や健康被害のリスクを把握し、より安全な操業を提案するための資料収集を目的とした。操業実態を把握するために、国内の異なる2地域(三重県国崎、石川県舳倉島)の潜水漁業者を対象に、操業時間、潜水回数、水深、潜水時間および水面休憩時間、三次元の加速度、GPSによる位置情報、カメラによる映像資料を収集した。また、潜水漁業者の健康状態を把握するために国崎の海女に質問紙調査を実施した。 潜水漁業者の操業実態を調査したところ、操業時間には地域差があり、組合や漁協により定められていた。潜水回数では、国崎の海女が多く、同地域内のカチドとフナドではカチドの方が多く潜水していた。また、水深について同地域内のカチドとフナドを比べるとフナドの方が深く潜水していた。潜水時間を1とした場合の水面休憩時間との比では舳倉島カチド(0.52)、舳倉島フナド(0.73)、国崎フナド(0.73)が1を下回り、DCIのリスクが高いと考えた。潜水作業を行う水深を考慮すると減圧症のリスクが最も高いと考えられるのは舳倉島フナドであった。潜水漁業者の位置情報のデータを地図上にプロットしたところ、カチドはフナドに比べ広範囲にわたって潜水していた。また、ウェアラブルカメラを装着することにより、操業中の様子を潜水漁業者の目線で撮影することに成功した。 国崎の海女を対象に健康状態に関する調査を実施し、操業中の症状、普段の症状、および両者の関連を検討した。潜水漁業者の多くが潜水に関する正しい知識を持たないまま経験的に潜水を行っており、潜水障害や健康被害を引き起こしている可能性があることが示唆された。本調査結果の一部は、「DIVING PATTERNS OF BREATH-HOLD DIVERS」と題して12th International Symposium on Maritime Health において国際学会発表を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
潜水競技者(フリーダイバー)を対象とした調査を計画していたが、天候の不順等で調査を実施できなかった。潜水漁業者を対象とした調査は、症例数を増やすと同時に、対象とする漁獲物の違いについても考慮する必要があると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は最終年度でもあることから、これまでに収集したデータと今年度に収集予定のデータを総合的に考察していくことを目標とする。また、前年度実施できなかった潜水競技者を対象としたデータ収集を実施し、息こらえ潜水者の潜水中の実態を把握し、安全な潜水方法を提案する。得られた結果はweb上でも公開することとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
天候不順等で調査の実施ができなかった部分が生じた。 潜水競技者を対象としたフィールドでの調査及び実験室でのデータ収集を計画している(2014年7月:沖縄ほか)
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Research Products
(6 results)