2012 Fiscal Year Research-status Report
緊急時の効果的なリスクコミュニケーションのあり方に関する心理学的研究
Project/Area Number |
24500816
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
豊沢 純子 大阪教育大学, 大学共同利用機関等の部局等, 講師 (90510024)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リスクコミュニケーション |
Research Abstract |
本研究は、緊急時(特に110番通報時)のリスクコミュニケーションの問題点を抽出し、それを解決するとともに、効率化するための方法を明らかにすることを目的としている。平成24年度は、当初計画に従い、以下の3点について実施した。 (1)予備調査(通信司令室へのインタビュー)の内容を整理した。調査時に記入した内容を整理し、問題点を抽出して、本調査に必要な項目を選定した。 (2)全国5箇所の通信司令室を訪問した。予備調査と同様、事前に実務にあたっている通信指令官を対象としたインタビュー調査を申し入れたが、応じていただける所が無かったため、一般向けの通信司令室見学ツアーに参加した。疑問点が生じた場合には、その場でたずねることにした。訪問によって、自治体間の共通点・相違点が明確になったため、その内容をまとめて紀要論文を作成した。論文は平成24年度中に採択され、掲載された。 (3)大学生を対象とした実験を実施した。仮想的な110番通報場面(通学途中にひったくりを目撃するという状況を想定)を用意し、通報者役・警察役に分かれて、携帯電話を用いて110番通報の発信・受信を行なってもらった。会話内容はボイスレコーダーに記録し、会話時のエラーの回数や内容、通報に要した時間、警察役を対象とした聞き取りテストの結果等を評価した。分析は現在も継続して行なっているが、次年度(平成25年度)の学会にて発表する予定である。また、今年度はひったくりという1つの状況のみの検討であったため、その他の状況については、平成25年度に実施できたらと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定通りに実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
仮想的な110番通報場面を対象とした研究を行なうためには、通報場面を具体化する必要がある。今年度の実験では、“通学中のひったくり事件の目撃”という状況のみを設定したが、知見の一般化可能性を検討するためには、より多くの状況を対象とした検討を行う必要があると考えられる。従って、次年度も引き続き110番通報場面を対象とした研究を継続する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の主なものは、物品費と旅費である。物品費として主なものは、携帯電話のプリペイドカード(学生が所持している携帯電話を実験に使用すると個人情報に触れるという問題や、通話料が発生するという問題があるため、プリペイド式の携帯電話を使用している)である。 旅費として主なものは、研究成果を発表するための学会に参加するための旅費である。
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