2014 Fiscal Year Annual Research Report
緊急時の効果的なリスクコミュニケーションのあり方に関する心理学的研究
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24500816
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
豊沢 純子 大阪教育大学, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (90510024)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | クライシスコミュニケーション / 安全教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実施計画は以下のとおりであった。 「2年間の研究成果を学会や学術誌に発表するとともに,その内容を踏まえ,通信手順を訓練しておくことの効果が安定的に生じるかを検討するための研究を継続する。また学校現場などで活用可能なトレーニングプログラムを作成し,その効果を検討した上でホームページなどを通して全国に公表する。」 このうち,「研究成果の発表」については,国内外の学会で発表を行い,学術誌に投稿を行った。ただし,学術誌については審査に時間を要しており,研究開発機関終了後も引き続き実施する。 「通信手順の訓練」については,「通報者と警察官の共通基盤の形成」と捉え直し,2つの方法で共通基盤の操作を行った。1つは,通報者に聴取事項に関する情報を与える(宣言的知識への働きかけ)方法であり,もう1つは,通報体験(手続き的知識への働きかけ)であった。実験の結果,宣言的知識への働きかけだけでは不十分であり,手続き的知識への働きかけが効果を持つことが示された。 「学校現場で活用可能なトレーニングプログラム」については,大学の3つのクラスにおいて,1回分の講義(90分)で実施可能な方法を検討した。通報者と警察官の2つの役割を交互に体験するとともに,聴取事項に関する情報を通報者に提示したペアと提示しなかったペアの体験を比較したり,数名のグループで体験を共有するためのディスカッションと全体発表の内容を取り入れた。3つのクラスにおける成果の差はほとんどなく,いずれも通報体験により通報の正確さと迅速さが向上する可能性が示唆された。以上の結果については,先の2年間の研究成果と同じく,研究開発期間後に改めて学会や学術誌にて発表する予定である。
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