2014 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄の小中学生の学力向上に向けた睡眠介入研究―コホート研究と睡眠脳波実験の併用―
Project/Area Number |
24500821
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
笹澤 吉明 琉球大学, 教育学部, 准教授 (50292587)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 睡眠教育 / 介入研究 / 学力向上 / 小学生 / 中学生 / 睡眠脳波 / 睡眠日誌 |
Outline of Annual Research Achievements |
沖縄県の小中学生の学力向上を目的に、小4(介入群198名、対照群77名)、中1(介入群168名、対照群688名)を対象に、平成24年9月から平成27年2月まで、睡眠教育の介入研究を行った。睡眠教育は、月に1度の睡眠の授業と毎日の睡眠日誌の記載である。その結果、小学生は理科、算数といった理系科目、中学生は国語、社会といった文系科目の学力が睡眠教育の介入によって向上した。また、就寝時刻、睡眠時間、中途覚醒等の睡眠習慣の改善が見られた。さらに、他の生活習慣やメンタルヘルスの改善が見られた。具体的な研究方法は以下の通りである。 質問紙調査を、平成24年9月、12月、平成26年3月、平成27年2月に縦断的に行った。質問項目は主観的学力、生活習慣、学習習慣、睡眠習慣、運動習慣、メンタルヘルス等で構成した。睡眠教育は月に一度朝のホームルームを利用して15分程度のQ&A方式の教材を用いてクラス単位で行った。主な内容は、睡眠基礎、睡眠環境、睡眠と生活習慣(食、運動)、睡眠と学習(記憶、読書)等である。睡眠日誌は2週間の位相が見られ、目標、達成度、満足度が記入できるものである。また、食事のタイミングについても記載させた。睡眠日誌は回収後アドバイスを記入しフィードバックした。得られたデータをコホート研究の視座で解析した。 今後の研究課題は、睡眠日誌のコンプライアンスの悪い児童への対処、日誌のフィードバックの困難さ、家庭での活用の低さ、長期休暇の介入方法等が挙げられる。 また、睡眠脳波測定による睡眠改善のエビデンスを得たかったが、児童生徒への承諾が得られず、大学生への実験にて検証を行った。その結果、睡眠教育の介入によって睡眠効率の増加と中途覚醒の減少がみられた。 子と親の睡眠は正相関し、夕食時刻等の家庭での親のタイムマネージメントは子の睡眠行動に影響することから、家族単位での睡眠介入の必要性が示唆された。
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Research Products
(4 results)