2012 Fiscal Year Research-status Report
「自己学習型ニーズ評価システム」の介護予防効果と標準化の研究
Project/Area Number |
24500824
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小林 法一 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (30333652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 孝 目白大学, 保健医療学部, 教授 (70158202)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヘルスプロモーション / 介護予防 |
Research Abstract |
本研究は,介護予防プログラムを受けようとする当事者が,自分の判断でプログラム参加の必要性を認識し,自分自身でニーズを同定するという,当事者主体の評価システムを開発しようとするものである.介護予防プログラムの必要性を専門家が決めるのではなく,当事者が決断するための評価システムである.これにより当事者は,「受け身的参加者」から,「積極的参加者」へと変化し,介護予防プログラムの効果が高まるものと予想される. 申請者は2007年より自治体の協力を得て試行を開始し,評価システムの妥当性および効果の検証を実施している.その成果は順次報告しているが,これまで主に都市部(東京都,札幌市,仙台市,神戸市など)で実証を重ねたという地域の偏りがある.この点を是正した上で実施マニュアルを作成し,広く普及を図るのが本研究の主目的である. そこで本年度は地方都市である沖縄県沖縄市および昨年度から継続中の福岡県大牟田市でプログラムを実施し,データ収集を行った.このデータは分析中であるが,これまで集めた大都市とは多少違った傾向があるように思われ,今後のプログラム改訂に有効な資料になるものと予想される. プログラムの普及促進に関しては来年度着手の予定であったが,これを繰り上げ,今年度末に試行的に専門家向けのワークショップを開催した.プログラムの着想,開発の経緯,効果研究の紹介,期待する成果と実証結果,使用物品など,プログラム運営に必要な情報および資料の提供をおこなった.参加者の反応については概ね良好であった.この詳細はアンケートを集計分析して今年度中に報告予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ収集目標は50名であったが,実際には半数程度であった.浮いた予算を繰り越したことで今年度も引き続きデータ収集実施可能な措置を施しており,この点については挽回可能である.一方でH25年度より着手予定の普及促進活動を今年度から前倒しで着手することができた.以上のことから,全体としては順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集を継続して行い,以下3点の分析を行う.この結果を基にプログラムの改訂を行った上で,マニュアルを整備し専門職への普及促進活動を行う. (1)今回のデータおよび都市部でのデータを合わせた全体的な前後比較 (2)さらに量的尺度については,地域差を統計学的に分析 (3)評価システムについては,次の観点から地域差の影響を検討 ①介護予防プログラムにつながるニーズが引き出せるか否か ②具体的な健康行動が開始されたか ③結果に影響した因子(交絡因子を調整した地域差) 専門職への普及促進活動においては,期待通りの効果が得られるかが,評価システムの標準的な実施手順を示した実践マニュアルの完成度を図る指標の一つとなる.そのためこの観点からの分析も合わせて行う.現時点でプログラムの開催を希望する専門家が複数名いる.こうした積極的な協力者を組織して研究を勧める.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に使用する予定の研究費が生じたのは,プログラム参加数が予定通り集まらなかったためである.その背景にはデータ収集地の一つであった沖縄市の天候の問題がある.実施期間中に3度も台風に見回れ,プログラムの中止を決断しなくてはならない事態が生じた. 中止によってデータ収集に関わる予算に余剰が生じた.次年度は実施時期を検討して残りのデータ収集を行う.
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Research Products
(4 results)