2013 Fiscal Year Research-status Report
高等学校における性の健康教育の実施に向けた養護教諭の資質能力の向上の研究
Project/Area Number |
24500830
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
鹿間 久美子 京都女子大学, 家政学部, 教授 (40589727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐光 恵子 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (80331338)
岩崎 保之 新潟青陵大学, 看護福祉学部, 教授 (60410247)
時田 詠子 群馬医療福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (00612839)
中村 千景 帝京短期大学, 生活科学部, 講師 (80623991)
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Keywords | 養護教諭 / 性の健康教育 / 集団指導 / 高校生 / 連携 |
Research Abstract |
高等学校における性の健康教育推進に向けた養護教諭の資質能力の向上について研究を行うために、4県の養護教諭と養護教諭が選定した教諭の調査を行った。調査は、高等学校における性教育の中心的な担い手である保健体育科教員と養護教諭が、性教育を実施していくうえで感じている困難感と課題を明らかにするために自記式質問紙調査を実施し質的帰納的分析を行った。結果、困難感では、【性教育の授業時間が確保できない】【指導方法がわからない】【教師の指導力不足】【教員間の認識のズレ】【外部講師の確保に苦慮】の5カテゴリーが生成された。 課題では、【生徒の実態に即した指導内容や指導方法を検討する】【体系的な性教育の年間計画に位置づける】【性に関する正しい知識や判断力を身につけさせる】【教師の性教育に関する研修が必要】【外部専門講師の活用】【家庭との連携】【性教育を推進するための社会的環境整備】の7カテゴリーが生成された。 今後、高等学校における性教育を推進していくために、性教育を教育課程に位置づけ、教員の指導スキルを高め、学校と家庭との連携を強化する等の必要性が示唆された。そして、養護教諭が各学校における性教育の推進者として重要な位置を占めていることが明らかとなったので、量的調査調査結果から養護教諭が性教育を進めるうえで困難感を持っている内容について検討し、性教育推進のための段階別確認進度表を作成して、2県の養護教諭を対象に予備調査を行った。それらの調査結果に基づいて、日本思春期学会で2件の発表と2件の論文投稿を行った。 論文投稿については、原著論文で1件掲載され、残る1件についても現在査読中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請当初における計画から調査方法などについて量的調査に加えて質的調査としてインタビュー調査を行う予定であったが、インタビュー調査に変えて、質問紙による自由記述項目についての記述内容の分析を行うなどの一部変更を行っているが、変更後の計画および、具体的な対策として、段階別進度表を作成して予備調査を行うなどの追加をした。以上のようにおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
山形県・新潟県における、高校生への性の健康教育実施について調査を行い、養護教諭のかかわりへの効果について段階別確認進度表について調査を進め、具体的に活用を進める段階に向けて、より効果的な内容にするために、さらに分析を進めていく予定である。 また、本研究中には全国規模の調査を行うことは困難であるが、将来的な大規模調査に向けて、準備を行っていく必要がある。また、養護教諭に対するインタビュー調査なども視野に入れて研究を進めていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度における調査及び学会発表や論文作成にかかる費用を残した。 調査旅費・学会発表旅費・論文作成における人件費謝金など
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