2014 Fiscal Year Research-status Report
大学生のレジリエンス向上のための電子自己学習プログラム開発に関する研究
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24500831
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
樋口 倫子 明海大学, 外国語学部, 講師 (70276179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 佐由理 筑波大学, 体育系, 准教授 (10334054)
杉浦 雄策 明海大学, 不動産学部, 教授 (50245156)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ストレス / レジリエンス / 大学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
青年期後期にあたる大学生は、アイデンティティの確立という発達課題に直面し、自己の未熟さを知って葛藤が生じやすく、抑うつを経験することも多い。したがって、大学生にはストレスマネジメントの修得が必要とされ、ストレス解消(リラクゼーションなど)やストレスコーピング(ストレス認知変容)に関するアドバイスなどが、主な心理教育として用いられてきた。しかし、ストレスの認知と発現には、個人の感受性が関与している。よって、われわれは、個人のストレスへの感受性の変更を含んだレジリエンス促進支援(否定的な自己イメージをあるがままの肯定的な自己イメージに再構築する)に注目した。 近年、支援方法の中では、Webを利用したプログラムの開発が目覚ましい。しかし、有効なWeb-Basedプログラムの提供には至っていない。そこで、われわれは、大学生を対象に「自己報酬型自己イメージ形成」を主軸とする、レジリエンス促進のための電子自己学習プログラム開発を進めてきた。 本研究の目的は、大学生を対象にレジリエンス促進のために電子自己学習プログラムをweb.上で運用し、その有用性について自己イメージ・レジリエンス・精神健康度のアウトカム指標から検討することである。 平成26年度は教材を修正し、そのプログラムをweb.上で運用し、その効果について、心理指標の面から検討した。研究趣旨を説明し、同意を得られた大学生を対象に、介入3ヶ月前、介入直前、介入直後、介入後3週間の4時点で評価した。介入3ヶ月前と介入直前では、全ての指標で有意な差は認められなかった。介入3ヶ月前と介入後3週間で、すべての心理指標の得点に、有意な改善が認められた。 5つのモジュールによる構造化された本電子自己学習プログラムは、大学生のレジリエンス向上や精神健康度を改善できる支援システムとして有効であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、改良された教材をweb.上で運用し、プログラムの有用性についての検証が実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、これまでに得られた質的なデータから、本プログラムの有用性について評価を行う。また、そのデータを基盤として、実践的な運用に関して研究を進める。
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Causes of Carryover |
平成26年度は、本電子自己学習システムの効果の質的なデータを収集したが、分析が次年度に実施される予定になった。このため、分析のための人件費、成果発表の費用に関して使用額に差が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、本電子自己学習システムの効果の質的なデータの分析を行う。予算は、これに関する人件費、成果発表、論文作成費として使用する。
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Research Products
(7 results)