2015 Fiscal Year Annual Research Report
大学生のレジリエンス向上のための電子自己学習プログラム開発に関する研究
Project/Area Number |
24500831
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
樋口 倫子 明海大学, 外国語学部, 准教授 (70276179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 佐由理 筑波大学, 体育系, 准教授 (10334054)
杉浦 雄策 明海大学, 不動産学部, 教授 (50245156)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | レジリエンス / ストレスマネジメント / 大学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは、大学生を対象に「自己報酬型自己イメージ形成」を主軸とする、レジリエンス促進のための電子自己学習プログラム開発を行った。本研究は、大学生を対象に本電子自己学習プログラムをweb.上で運用し、その有用性を自己イメージ・レジリエンス・精神健康度のアウトカム指標から検討することを目的とした。 参加者は、研究趣旨を説明し、同意を得られた大学生とした。研究Ⅰ(短期予後)の参加者は64名、研究Ⅱ(中期予後)の参加者は77名であった。自記式質問紙法により、4時点で評価した(単一時系列介入)。研究Ⅰは、プログラム介入3ヶ月前、介入直前、介入直後、介入3週間後とした。研究Ⅱは、介入直前、介入直後、介入5週間後、終了3か月後とした。参加者にIDおよびパスワードを割り当て、プログラムをweb.配信し、3週間の学習期間内での実施を求めた。 プログラムの短期効果の分析(研究Ⅰ)では、Baseline期で、全ての指標の得点で有意な差は認められなかった。介入3ヶ月前と介入2週間後で、全ての指標の得点に有意な改善が認められた。プログラムの中期効果では、全ての心理指標の得点は、介入5週間後まで有意な改善が認められた。自己価値感とレジリエンスの得点は、介入3か月後まで有意な改善認められた。短期効果から、本学習システムの実施は、自己報酬型自己イメージへの気づきを獲得させ、行動目標の設定を促す。その結果、自己自信感が強まりレジリエンスが促進され、抑うつ度を低減させると考えられる。また、中期効果では、一定水準の効果が保たれたが、自己報酬型自己イメージの定着が不完全であると考えられ、プログラムの繰り返し学習の必要性が示唆された。 本電子自己学習システムは、短期的には大学生のレジリエンス向上や精神健康度の改善に有効である。
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Research Products
(3 results)