2012 Fiscal Year Research-status Report
母娘の世代間妊孕性に関与するリスク因子の探究と妊孕性支援教育プログラムの構築
Project/Area Number |
24500833
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
上澤 悦子 福井大学, 医学部, 教授 (10317068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 美由紀 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (70327451)
川内 博人 北里大学, 医学部, 講師 (90152917)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 卵巣予備能 / 不妊女性 / 世代間妊孕性 |
Research Abstract |
本研究の目的は健康な邦人女性の卵巣予備能や母娘間の世代間妊孕性に関与するリスク因子探索である。 本年度は初年度であり、まずは女性の妊孕性に関する国内外の文献レビュー、海外での国際学会に参加し、近年の最先端の研究の動向を調査、検討した。さらに予定どおり、不妊治療中の女性十数名から生活習慣に関するフォースインビューを実施した。それらの結果、まずはわが国の不妊治療中女性の妊孕性に関連するリスク因子を明らかにすることで、妊孕性リスク構造が明確になるために、不妊女性を対象にした第一段階の調査を実施することとした。 そこで、国内外の関連文献およびフォースインタビューの結果を踏まえ、大規模調査のための質問票の作成を行った。これらの「卵巣予備能に影響する因子探索研究」に関する第一段階の研究計画書を作成し、所属大学の倫理審査を受けた。 次に、我が国の代表的な4箇所のART施設における質問紙調査実施承諾を得て、現在、不妊治療のために通院中の女性約2000例を対象に質問紙調査を実施している。調査内容は妊孕性の評価指標であるAMH、前砲状卵胞数、FSH、E2検査データ、および女性の生活習慣、自身の出生時体重と分娩週数、既往歴と不妊治療歴、および母親や姉妹の不妊歴と閉経年齢についてである。現在これらのデータ収集を実施中であり、約1000例のデータが収集済みである。次年度はさらに数施設での同調査を追加継続し、全4000例の調査データとし分析する予定である。それらの結果から、わが国の不妊を自覚している女性の母娘間の世代間妊孕性のリスク因子を探索できることとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度であったH24年度の当初計画は、研究の第一段階としての調査票の作成、50施設のレディースクリニックからの承諾を得、倫理審査を受けることであった。しかし、まず日本人女性の不妊要因となるリスク因子を明確にするためには、日本人の不妊女性を対象とした卵巣予備能に関連する因子探索研究が必要と考え実施した、これらの調査におけるデータ回収も順調に進んでいるため、H25年度には不妊治療が必要な日本人女性の妊孕性とそのリスク因子を明確にすることができる。それらの結果を踏まえ、健康な女性群の調査と対象を拡大したいと考えている。 しかしその結果、H25年度から2年間で実施予定であった第2段階の計画がH26年度の1年間のみで実施しなければならない可能性が予測される。それらのことを踏まえてもおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度も第一段階研究を継続し、その結果分析から、不妊のリスク因子を明確にすることができ、第2段階研究である後視野的コホート研究にスムーズに進むことができると考える。 特に25年度は、第2段階研究に向けて調査依頼施設の開拓、また、諸外国の研究成果を収集するために、国際学会への参加も重要な研究推進活動となる。特に最終段階の研究「妊孕性支援健康教育プログラム」を開発するために、現在,神奈川県相模原市で実施している「将来赤ちゃんを望むカップルのための妊娠前教室」の参加者たちの意見を系統的にまとめること、また、看護学生が実施する仲間のためのピア・エディーケーション「将来、赤ちゃんがほしいあなたのために」のプログラムを学生とともに作成し、評価すること、これらの成果が各年代別の「妊孕性支援健康教育プログラム」開発の推進方策となる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査依頼、実施のための国内旅費、調査票の作成、通信費、研究協力者への謝金などは申請時の研究計画との間に変更はないが、国際学会参加のための国外旅費は次年度も必要であり、支給された研究費から配分することとしたい。
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