2015 Fiscal Year Annual Research Report
母娘の世代間妊孕性に関与するリスク因子の探究と妊孕性支援教育プログラムの構築
Project/Area Number |
24500833
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
上澤 悦子 福井大学, 医学部, 教授 (10317068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 美由紀 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (70327451)
川内 博人 北里大学, 医学部, 講師 (90152917)
折坂 誠 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (80324143)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 卵巣予備能 / 生活習慣 / 世代間妊孕性 / 健康女性 / normograms |
Outline of Annual Research Achievements |
国内の45歳未満の健康な女性約900名を対象に、AMH採血、質問紙による年齢、既往歴、生活習慣等の調査を行った。検査キットはAMH GenⅡElISAを使用し、加齢とAMH値5・10・25・50・75・90・95の各パーセンタイルレベルの相関をnormogramsで作成した。 有効データ677件(75.2%)、不妊治療経験者58件を除き、611件を分析対象とした。平均年齢は30.6歳(SD6.53)、20歳~29歳:307件(50.2%)、30歳~34歳114件(18.6%)、35歳~39歳116件(18.9%)、40歳以上74件(12.9%)であった。加齢とAMH値の各パーセンタイルレベルnormograms は、50パーセンタイル群では、31歳までAMH下降はほとんど認められず、4.5ng/ml以上を維持し、32歳から穏やかに下降していた。50パーセンタイル以上群では40歳を経過しても1.4 ng/mlを維持していた。月経異常や生活習慣の関連では、月経異常有群の平均AMH5.97±4.40 ng/ml、無群の平均AMH4.57±3.36ng/mlと月経異常あり群が有意に高値であった(p≦.000)。喫煙有り群の平均AMH3.93±3.52 ng/ml、無群の平均AMH5.29±3.96ng/mlと喫煙有り群が有意に低値であった(p≦.05)。コーヒー習慣有り群の平均AMH4.35±3.55 ng/ml、無群の平均AMH6.06±4.14ng/mlとコーヒー習慣有り群が有意に低値であった(p≦.000)。 不妊治療の経験がない比較的若い健康な日本人女性を対象にAMH normograms作成を試みたが、我々の先行研究(2014)の不妊女性2356件でのAMH normogramsと顕著な差はなかった。3年間の卵巣予備能に関連する生活習慣と母娘世代間妊孕性に関する因子探索研究において、不妊治療中の女性と健康な女性の卵巣予備能の関連要因に特異な相違はなく、リスク因子は一致していた。またこれらの結果から、卵巣予備能に関連する特に生活習慣要因に関する妊孕性支援教育プログラムを広く展開する必要がある。
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