2013 Fiscal Year Research-status Report
ソーシャル・キャピタルが高齢者の健康に及ぼす影響に関する包括的実証研究
Project/Area Number |
24500835
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
福川 康之 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (90393165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下方 浩史 名古屋学芸大学, その他の研究科, 教授 (10226269)
小田 亮 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50303920)
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Keywords | ソーシャル・キャピタル / 健康 / 高齢者 / 適応 / 利他性 / 互恵性 |
Research Abstract |
1.企業の現役従業者と退職者を対象とした5年ごと5回にわたる調査データを解析し,互恵性のソーシャル・キャピタルの時代的変遷,および,ソーシャル・キャピタルと主観的健康との関連を検討した.分析の結果,個人レベルの互恵性意識は20年間でほとんど変化していなかったが,集団レベルの互恵性意識には低下傾向が認められた.また,個人と集団いずれのレベルにおいても,互恵性意識が高いほど主観的健康状態が良好であること,ただし,集団レベルの互恵性意識が高いほど(古い調査コホートほど),個人の互恵性意識と主観的健康との関連は弱いことが明らかとなった. 2.地域在住の高齢者を対象とした調査により,対人関係のさまざまな指標(ソーシャル・サポート,互恵性,対人葛藤)と主観的幸福感との関連を検討した.分析の結果,男性では対人関係が良好であるほど幸福感が高いが,対人関係が不良の場合でも,有配偶者は幸福感が高いことが明らかとなった.女性も,対人関係が良好であることが高い幸福感と関連するが,配偶者の有無による違いは認められなかった. 3.ソーシャル・キャピタルや互恵性の心理的基盤である利他性とパーソナリティ特性との関連について,大学生を対象とした調査を行った.利他的行動を行う対象別に分析を行った結果,「経験への開放性」は友人・知人および,見知らぬ他人に対する利他的行動と,「勤勉性」は家族に対する利他的行動と,それぞれ正の関連を示した.また,「外向性」はすべての対象への利他的行動と正の関連を示し,「神経症的傾向」はいずれの対象への利他的行動とも無関連であった.「協調性」は,友人・知人への利他的行動と正の関連が認められた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで,研究課題に即した調査やデータ解析を行い,個人の健康にソーシャル・キャピタルが有用であることを示唆する結果が得られている.加えて,ソーシャル・キャピタルと健康との関連について,コホート効果や性差など,先行研究であまり報告されていない知見も得られている.以上の点から,おおむね順調に研究目的は達成されていると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られた知見に配慮しながら,地理的・物理的要素を含むソーシャル・キャピタルと健康との関連を検討する計画を進めている.また,中高年者を対象とした縦断データの収集や解析,さらには,実験的手法を用いた利他性の発現条件の検証などを進める予定である.
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Personality and altruism in daily life.2014
Author(s)
Oda, R., Machii, W., Takagi, S., Kato, Y., Takeda, M., Kiyonari, T., Fukukawa, Y. & Hiraishi, K.
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Journal Title
Personality and Individual Differences
Volume: 56
Pages: 206–209
DOI
Peer Reviewed
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