2013 Fiscal Year Research-status Report
児童生徒を対象とした認知行動療法的ストレスマネジメントのアセスメント技法の開発
Project/Area Number |
24500836
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
嶋田 洋徳 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (70284130)
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Keywords | ストレスマネジメント / 認知行動療法 / 児童生徒 / 社会的スキル訓練 / 注意の偏り |
Research Abstract |
平成25年度は,前年度と同様に児童生徒の認知的側面に焦点を当て,怒り喚起場面に対するコーピングスキルのアセスメントに関する理論的検討を行った。先行研究においては,児童生徒を対象としてアンガーマネジメントが実施されており,怒り反応の低減に有効であることが示されている。しかしながら,アンガーマネジメントは,怒り喚起刺激に対する評価内容の変容を行う介入を行っているとみなすことができると考えられるため,怒り喚起刺激の詳細な評価を経ずに行われる「自動的な情報処理回路」によって誘発された反応的な怒りに対してはその効果が不十分である可能性が考えられる。この「自動的な情報処理回路」に該当すると考えられる要因の1つとして,怒り喚起刺激への注意の偏りがある。したがって,当該児童生徒が怒り喚起刺激である他の児童生徒の脅威表情に対して注意が向きやすいことで結果的に反応的な怒りが表出されやすいことが予測される。そこで平成25年度は,アンガーマネジメントをストレスマネジメントに位置づける一環として怒り喚起刺激に対する注意の偏りを変容する手続きを取り入れたストレスマネジメント介入を行い,怒り反応低減効果を促進させるかどうかを検討することを目的とした。 公立小中学校に在籍する小学生231名,中学生190名を対象として,それぞれ個別に注意の偏りを測定し,標準的なストレスマネジメントを行う群と注意変容群に振り分けて介入を実施した。その結果,小学生において,介入前から介入後に注意の偏りが改善した児童は,怒り感情が低減する傾向にあることが示された。一方で,中学生においては,有意な群間差は示されなかった。これらのことから,特に小学生のストレスマネジメントを考える際には,怒り喚起刺激への注意の偏りのアセスメントが重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全般的に概ね当初の計画通り進展している。平成24年度に実施した部分においては引き続きデータの追加を行い,小学生342名,中学生565名のデータが収集されている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は詳細なデータ分析を行い,その効果の有無を検討する中から,主要なアセスメント方略を探索的に検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ収集が一部計画通りに進まない部分があったため。 適切にデータ収集計画を再度立てて使用することとした。
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Research Products
(9 results)