2012 Fiscal Year Research-status Report
しなやかな身体からの言葉の構築をするための取り組み-広島と福島の支え合い-
Project/Area Number |
24500844
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Hijiyama University Junior College |
Principal Investigator |
七木田 方美 比治山大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (80413532)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 身体と言葉 / 被災者支援 |
Research Abstract |
6月にヤクルト東日本の福島ヤクルト(株)と研究実施に向けた日程調整を行った。 6月と7月に広島にて広島市と近郊に在住する被爆2,3世を含む人々を対象にシェルボーンムーブメントとタッチケアによる身体ほぐしのワークショップおよび言葉に関する講演会を開催し、福島に向けた言葉を任意で募集した。 ・9月から10月にかけて、福島ヤクルト営業所を福島ヤクルト販売会社の社員に協力をいただきながら各5件を訪問し、ヤクルトスタッフ(以下YL)に同行して各戸訪問による対話を行うとともに、YL約100名を対象とした身体ほぐしのワークショップを開催し、任意で言葉の記述を求めたところ、約80名の回答を得た。また、心身の健康度調査を測るため、標準化された指標(SUBI)を用いてアンケート調査を行った。 2月に盛岡で行われたグリーフケアキャンプに参加し、放射能被害を受けた子どもや津波被害で傷ついた子どものケアの現状について視察した。 ワークショップにて集まった言葉を、今後の広島と福島の言葉の往還をさらに活性化するために冊子「アンプロンプチュ―福島と広島の声をあわせて」を作製した。冊子は、福島および広島の協力機関で配布を依頼するとともに、福島のYLにワークショップを開催して配布した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ワークショップ開催およびアンケート実施について、計画通り実施できた。 「しなやかな身体」から育まれると仮定した「言葉」を福島における8割以上の対象者より得ることができ、冊子作成に至った。 広島における「言葉」については、被爆者の多くが語らず、伝えられていない現状があることと、2世3世においては、実体験としての記憶として残っていないため、福島に向けた「言葉」を育みにくい現状がある。また、自由記述の分析には今年度より着手するため。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、広島では24年度の冊子を6月と11月に開催する講演会および、随時開催する催しにて配布し、さらに言葉の往還を促す。また、言葉の往還のさらなる深まりを測るため、新聞等の各種メディアの協力を得て言葉を公表する。 福島では9月~11月にかけて、再度研究協力機関の福島ヤクルトのYLを対象としたワークショップを開催するとともに、8月~1月に福島の子どもとその保護者が集う場所に赴いてワークショップを開催し、心身の健康度指標のアンケートを実施する。 24年度に作成した言葉の往還の冊子をさらに深め、冊子化して福島と広島の関係機関に配布するとともに、言葉の質の分析とワークショップの効果検証結果を平成26年度の小児保健研究会等で行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
福島等調査研究に必要な出張経費として1名~2名4回(計700千円) ワークショップおよび講演会開催経費として講師謝金と交通宿泊費2名分300千円と会場費50千円、その他消耗品費および人件費として150千円(計500千円) 研究に必要な冊子作成にかかわる費用(計400千円) アンケート及び自由記述の分析に必要なPCソフト等の充足および入力等に関わる人件費(計400千円)
|