2012 Fiscal Year Research-status Report
男性の育児参加を促進する家族から社会へのアプローチに関する研究
Project/Area Number |
24500890
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
久保 桂子 千葉大学, 教育学部, 教授 (80234475)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 男性の育児参加 |
Research Abstract |
2012年度は、研究課題にしたがって2009年度に行った調査データの再集計を行い、共働き世帯における夫の家庭生活への関与を妨げている仕事の状況について、Schiemanらの提示した枠組みを参考に、生活への関与を高める仕事の資源と、関与を妨げる仕事の要求を取り上げ、妨げとなっている具体的な内容を明らかにした。生活への関与を高める仕事の資源として、仕事の時間や量についての裁量度の高さ、収入、残業がなく定時の終業を取り上げ、関与を妨げる仕事の要求として、職場の人間関係、仕事のプレッシャー、労働時間の長さを取り上げた。これらの項目を独立変数として、仕事が家庭生活への関与を妨げている程度「家庭生活の時間を増やしたいが、職場の理解が得られない」の得点を従属変数として、重回帰分析を行った。その結果、収入以外のすべての項目で有意な関係が認められた。残業がなく定時に終業が、最も強い関連が認められた。また、「職場の理解が得られない」の得点について実際の育児参加との関連を確認すると、育児参加は低いが、性役割意識には否定的な夫ほど「職場の理解が得られない」の得点が高いことが明らかになった。これらの結果は、2013年度の日本家政学会大会で報告予定である。さらに、外国の共働き世帯の子育て状況について、中国上海社会科学院の研究者との情報交換を行うとともに、上海の幼稚園の見学、資料収集などを行った。加えて、ワーク・ライフ・バランス、子育て支援ネットワーク、父親の育児参加などに関する情報収集を行い、2013年度に予定している調査の準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題にしたがって2009年度に行った調査データの再集計を行い、共働き世帯における夫の家庭生活への関与を妨げている仕事の状況について、Schiemanらの提示した枠組みを参考に、生活への関与を高める仕事の資源と、関与を妨げる仕事の要求を取り上げ、妨げとなっている具体的な内容を明らかにできた。そして、これらの結果は、2013年度の日本家政学会大会で報告予定である。さらに、外国の共働き世帯の子育て状況について、中国上海社会科学院の研究者との情報交換を行うとともに、上海の幼稚園の見学、資料収集などを行い、重要な情報収集を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度は、2012年度に準備を進めた調査票を完成させ、調査を実施し、集計・分析を進める予定である。男性の育児参加をすすめるために、家族・労働者の側から職場に働きかけを行っている実態を明らかにする。調査票は、1500部印刷する。調査は、2013年7月~9月を予定している。2012年度の分析結果については、日本家政学会年次大会で研究成果を発表するとともに、論文としてまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)