2013 Fiscal Year Research-status Report
家庭科における保育学習のカリキュラム・イノベーション研究
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24500892
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
倉持 清美 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30313282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妹尾 理子 香川大学, 教育学部, 教授 (20405096)
望月 一枝 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (60431615)
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Keywords | 家庭科教育 / ふれあい体験 / 保育学習 / ナラティブ / 被服製作 / 住環境学習 |
Research Abstract |
保育体験学習の事後の授業として、生徒にナラティブを書かせることについての有効性(金子ら、2011)や調理実習後にナラティブを書かせることの有効性(金子ら2012)を授業実践の中で精査し、体験を振り返り学びを深める効果があることを確認してきた。当該年度では、時系列的に記述するナラティブの特徴を生かし被服製作後もナラティブを書かせることで、被服製作における作成の手順についての理解が、そして教師には作業中の生徒の様子がよく把握できると考えた。さらに、時間数が少ないという家庭科の現状を踏まえて、保育ふれあい体験を住環境学習とリンクさせ、子どもが育つ環境を考える保育学習への拡張を検討した。住環境学習にあたっては、実践的・体験的な活動をとりいれて主体的に考えられるような学習課題を設定することが難しいとされている。しかし、保育ふれあい体験では、生徒たちが子どもの育ちを支えるために意図された環境を実際に観察することができ、その環境の中で幼児とともに様々な活動を展開する。こうしたふれあい体験の特徴を活かした授業をデザインすることで、住環境学習と保育学習の両方の学びの充実が期待できると考えた。 教師は、作業の結果としての作品を見ることはできても、作業過程の生徒の様子を個別に把握することは難しい。しかし、このナラティブによって、生徒がどこで躓いているのか、困難さがどこにあるのかを把握することができた。また、被服製作では、文字だけのナラティブではなく指示書も加えた「指示書ナラティブ」を書くことで、手順が明確になり、作業について生徒間でも共有しやすくなることが分かった。 ふれあい体験学習に住環境学習をリンクさせたことで、時間数が不足する中でも充実した指導を行うことができた。バリアフリーやユニバーサルデザイン等の学習をここに関連させて行うことも可能であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「ほかの分野とリンクしたカリキュラム」を検討することが当該年度の目的であったが、「被服製作」や「住環境」とリンクしたカリキュラムを検討することができた。開発したカリキュラムの有効性については、現在資料を集めつつ進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
成果を論文にまとめ、広く公表していく。また、カリキュラムガイドブックを作成し、研究の成果を広く教育現場で実践できるようにまとめていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
人件費を要することがなかかっため、また、ほかの研究費との関係で物品購入が予想よりもかからなかったため、次年度使用額が生じた。 今年度はガイドブック作成があり、人件費に上乗せして使用する。
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Research Products
(4 results)