2012 Fiscal Year Research-status Report
管理栄養士による災害時の食生活支援のための卒前教育教材の開発とその教育効果の検証
Project/Area Number |
24500893
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
須藤 紀子 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 准教授 (40280755)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 管理栄養士 / 災害 / 食生活支援 / 視聴覚教材 / 教材開発 / 教育効果 / 卒前教育 / 現任教育 |
Research Abstract |
災害時に食の専門家である管理栄養士が、被災者への栄養・食生活支援を円滑に実施できるようにするための教育教材の開発を目的とした。管理栄養士養成大学の教員を対象とした全国調査によると、災害時の食生活支援や給食管理について教えるために必要なものとして、半数近くの教員が「被災地で支援活動をおこなった経験」と回答していた。また、「今後も災害時の食生活支援について教える予定はない」と回答した公衆栄養学の担当教員の56.3%が「教える自信やスキルがない」と回答していた。以上のことから、教員による被災者支援の経験の無さを補うような教材が望まれていると考えられた。また、管理栄養士養成大学の教員と過去の震災被災地保健所に勤務する管理栄養士を対象としたグループインタビューからは、災害時の食生活支援に関する学習は、災害時の状況をイメージできる臨場感が必要であり、教科書による学習には限界があることが予想された。そこで、本研究で作成する教材はDVD(視聴覚教材)とした。 平成24年度はDVDに収載する内容の検討をおこなった。災害対策の基本は自助・共助・公助といわれるが、公助の部分を担うのが行政である。東日本大震災の被災保健所の所長と管理栄養士、被災市町村の栄養士のほか、被災地外の自治体から派遣された行政栄養士による談話を収載する。また、災害時要援護者支援の現場として、保育所と病院関係者の話も収載する。保育所は、首都圏、津波の被災県、原発事故の被災県の保育所長、保育士、栄養士に東日本大震災当日とそれ以降の給食提供に関するエピソードを話してもらう。さらに、被災地の管理栄養士養成大学の教員から養成施設として食生活支援をおこなった経験談、また首都圏の管理栄養士養成大学における備蓄の現状や帰宅困難者支援のための準備状況、東日本大震災時の経験について防災担当係長の話を収録する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発する教材の形態が決まり、内容についての具体的な検討に入っている。
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Strategy for Future Research Activity |
管理栄養士養成大学における卒前教育に使用できるような内容にするとともに、現場で働く管理栄養士の現任教育にも使用できるような内容にする。行政、保育、病院、養成施設といった現場ごとに目次を作成し、興味のある分野や関心のある現場の話のみを視聴することができるような構成にする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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