2013 Fiscal Year Research-status Report
管理栄養士による災害時の食生活支援のための卒前教育教材の開発とその教育効果の検証
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24500893
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
須藤 紀子 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 准教授 (40280755)
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Keywords | 東日本大震災 / 管理栄養士 / 災害時 / 食支援 / 被災地 / 給食 / 教材作成 / 教材評価 |
Research Abstract |
災害栄養の教材として制作するDVDの内容を確定し、制作会社の選定をおこなった。出演者に依頼文を送付し、打合せを開始した。 DVDは、東日本大震災において、行政、病院、学校給食、管理栄養士養成施設、日本栄養士会、研究機関の管理栄養士がどのような食支援を行なったのか、また、被災者の生命と健康を支える栄養・食生活支援を効果的に進めるためには、関係者がどのような機能と分担を持つべきか等の対応と課題をまとめた内容とした。被災地で活動した管理栄養士や医師の貴重な報告を収載し、被災経験や被災者支援の経験がなくても、災害時の食の問題を、臨場感をもって理解できるようにした。 東日本大震災以来、多くの研修会や大学で、被災地の行政栄養士等を外来講師として招いて講演会を開催しているが、このようなことを全国各地で個々に実施するのは効率が悪い。DVDの出演者は全国各地で講演をしている第一人者であり、DVDにより、多くの視聴者が第一線で活躍した専門家の話を聴けるようにする。管理栄養士・栄養士養成施設の授業で、自治体や専門職の現任研修会で活用してもらうことを想定している。また、他職種に、災害時の食支援の重要性や難しさを知ってもらうことを目的とした。 教材制作の考え方は以下のとおりである。(1)全体で75分の長さにし、90分の授業時間内で上映可能なものとする。(2)全体を通しで上映するほか、授業科目や研修会の対象者によっては、関連分野のみの上映も可能にする。構成は次のとおり:行政(15分)、学校給食(10分)、病院(10分)、管理栄養士養成施設(15分)、日本栄養士会(10分)、研究機関(15分)。(3)時間の限られた研修会等でも上映できるよう、全分野を網羅した10~20分のダイジェスト版も制作する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画どおり、平成25年度に教材開発をおこなったが、年度中に完成には至らなかった。しかしながら、平成26年度は教材の完成と同時に、当初予定していたプロセス評価もおこなう予定であり、当初の計画に追いつける予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は以下の方法により、制作したDVDの教育効果を評価する。 (1)調査対象者 全国の管理栄養士養成課程を有する全ての四年制大学(126校)の「公衆栄養学」・「給食経営管理論」・「臨床栄養学」の担当教員及びその授業を受講する学部生。ただし、まだこれらの授業が実施されていない新設校は除き、全部で124校とする。 (2)方法 全国栄養士養成施設協会の名簿の上から、公衆、給食、臨床の順にローテーションで割り振ると、「公衆栄養学」42校、「給食経営管理論」41校、「臨床栄養学」41校となる。それぞれの科目を担当する教員宛てに、「調査依頼文」、「返信用ハガキ」、「調査の流れ」、DVDのチラシを7月に送付し、調査協力を依頼する。返信用ハガキで調査に協力すると回答した教員宛に、「DVD」、「調査指示書」、「教員用アンケート」、「学生用アンケート【視聴前】」、「学生用アンケート【視聴後】」を送付し、10月中の授業でDVDの視聴とアンケートを実施してもらう。実施後回収した教員用アンケート、及び学生用アンケートを、返送用レターパックで郵送してもらう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年度は多額の研究費が必要となるため、平成25年度の研究費の半分を繰り越すこととした。 DVDの制作会社に製作費として216万円支払う必要がある。そのほか、出演者との事前打合せや撮影に同行するために、東北への出張旅費が必要となる。また、全国調査の集計に用いるSPSSを購入する。
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