2015 Fiscal Year Research-status Report
管理栄養士による災害時の食生活支援のための卒前教育教材の開発とその教育効果の検証
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24500893
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
須藤 紀子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (40280755)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 管理栄養士養成大学 / 学生ボランティア / 食支援 / 自然災害 / DVD教材 / 質問紙調査 / 介入研究 / 全国調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】災害時の食支援に関するDVDを制作し、管理栄養士養成大学の授業に用いた際の教育効果を評価した。 【方法】全国の管理栄養士養成施設(四年制大学)のうち、公衆栄養学、給食経営管理論、臨床栄養学の授業がまだ実施されていない新設校を除いた全124校に、3科目のいずれかをランダムに割り振り、該当する担当教員に調査を依頼した。73校からハガキの返信が得られ(回収率58.9%)、そのうちの59校の担当教員から調査への協力が得られた(協力率80.8%)。担当教員の授業を受講する学生を対象とし、DVDの視聴及び、視聴前後の質問紙調査を実施した。 【結果①視聴前のみ分析】59校4,403名の学生から回答を得た。「避難所における栄養の参照量」や災害法規については、学年が上がるにつれて理解している者の割合が増えるものの、半数近くの学生が理解していなかった。また、東日本大震災の際、自治体や日本栄養士会の管理栄養士・栄養士が被災地に派遣されたことを知っている学生は2割にとどまり、知った経緯としては「先生に聞いた」が7割以上を占めた。一方で、災害時に大学を拠点とした食に関するボランティアをしたい、と回答した学生は84.9%であった。 【結果②視聴前後の分析】視聴前後ともに質問紙を回収できた学生4279名を分析対象とした。DVDの視聴により、92.0%の学生が災害関連法規と適用されるフェイズを全て正しく結びつけられるなど、知識の習得がみられた。また、被災地の病院や学校給食の現場で対応した管理栄養士の経験談を聴くことにより、「災害時に管理栄養士に必要とされると思うもの」として、「コミュニケーション能力」や「企業・地元業者との連携」を選択する学生が有意に増加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
教員によるDVD教材の評価、学生の知識や関心の現状、DVD視聴前後での知識や意識の変化という研究の三要素すべてについて分析し、三報の論文を投稿済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
論文の受理に向けて、査読コメントへの対応と論文修正をおこなう。
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Causes of Carryover |
当該年度中に論文受理に至らず、論文掲載料の負担がなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度中に論文三報が受理される見込みであるため、論文掲載料として使用する。
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