2016 Fiscal Year Research-status Report
生活者重視のCSR実現に向けて―ステイクホルダーとしての生活者と市民社会―
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24500894
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
斎藤 悦子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (90298414)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生活者 / 家事労働 / 社会化 / 家事代行サービス / 家電 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度は前年度に福井県で実施した生活時間調査の結果をIFHE(International Federation for Home Economics)31回大会(於 韓国)で報告した(報告タイトル:The Relationship between Socializatin of Housework and Time Spent on House Keeping -Full Time Female Workers in Fukui,Japan-)。さらに、第34回日本ロボット学会学術講演会(山形大学)で「女性の社会進出と家事労働の社会化」と題する招待講演を行った。 調査対象地とした福井県は共働き世帯が国内で最も多く、女性の正規雇用率も高い。共働き世帯に実施した調査により、夫婦と子どもの世帯では、家事労働について、世帯外の人的サービスと家電製品による社会化の両方が頻繁に利用されていることが明らかとなった。一方、3世代世帯では、世帯外の人的サービスは全く利用されていなかった。人々が自らの生活をどのように管理していくか、家事労働の在り方は生活の質に関わる問題である。人的サービスによる社会化について、本調査では利用世帯の夫の家事労働時間が短いことが見出された。家事、育児、介護の分野への人的サービス(家事代行サービス)の進展は、世帯内の家事労働を男女平等に担うということから遠ざける可能性が示唆される。 さらに、家事労働と生活の質の上昇に関して、家事労働の家庭内での配分や社会化状況について詳細にするために、前年度の調査対象者にインタビュー調査を実施した。本インタビュー調査では、家事労働を細分化し、絶対に必要な家事とそうでない家事、社会化してもよい家事について尋ねている。インタビュー調査結果については、現在分析中である。この結果については、2017年8月開催のThe Biennial International Congress 19回大会 (於 日本)で報告する(査読終了)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来、2016年度で終了するはずであったが、インタビュー調査の実施が遅れたことで、分析を行う時間が十分にとれなかった。2017年度にインタビュー調査の分析と全体の総括を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度は実施した調査分析を深める。それらの結果を、本研究の最終的な終着点である生活者と市民社会の関係に結びつけて論じる。
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Causes of Carryover |
2016年度実施のインタビュー調査は6月を予定していたが、学内業務が多忙となったことと、調査対象者との日程調整が難航したため、2017年1月に実施することとなってしまった。調査結果のデータベース化や分析を年度内に終えることが出来なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査結果をデータベース化するための人件費、分析結果を取りまとめるための書籍代、簡易報告書作成費に使用する。
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