2012 Fiscal Year Research-status Report
認知症を合併した脳卒中患者のADLおよびライフスタイルに関する予後調査
Project/Area Number |
24500895
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
務臺 均 信州大学, 医学部, 講師 (90548760)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 認知症 / 脳卒中 / 高齢者 / 日常生活 |
Research Abstract |
1.研究の意義 超高齢化社会を迎えた日本において,在宅での要介護者は増加傾向にあり,特に認知症を合併した脳卒中患者の退院支援や在宅生活および介護負担を軽減する方法の検討は急務となっている.しかし,認知症を合併した脳卒中患者について,入院中の認知機能の推移,自宅退院に向けた支援方法,および退院後の在宅生活の維持についての報告は少ない.そこで,本研究において,以下の3点を明らかにする.①認知症を合併する脳卒中患者の入院中の認知機能の推移やADL能力の推移.②入院時点または,退院時点の患者属性や機能状態と在宅復帰および入院期間との関連要因.③退院後の予後について1年後の追跡調査を行い,在宅生活が継続しているか確認し,介護保険の使用サービスや生活習慣などから在宅生活の維持の阻害要因を明らかにする. 2.平成24年度の具体的な実施内容 平成24年度は研究全体の中で,研究の準備,対象者のエントリー,入院中の経過調査,退院時の状態調査を実施した. 1)調査研究の準備(平成24年4月~10月)①共同研究施設(安曇野赤十字病院)との研究についての打ち合わせ:研究協力者と実際の研究方法について細部を検討.共同研究施設のスタッフに研究内容の説明を行った.②書類の作成:調査項目の調査用紙,アンケート用紙の作成.③信州大学医学部および安曇野赤十字病院の倫理審査委員会に申請し審査を受けた. 2)入院中の経過調査の開始(平成24年11月~平成25年3月)①対象者のエントリー,②対象者の基本情報を,データベース,診療記録および問診により収集した.③退院時の状態を問診により調査した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は研究全体の中で,研究の準備,対象者のエントリー,対象者の入院中の経過調査および退院時の状態調査を行う予定としていた.研究の準備として,評価・調査用紙の作成,倫理審査委員会の承認,共同研究施設への説明はすべて終了した.対象者のエントリーは,平成24年10月から平成25年3月で50名のエントリーを予定していたが,平成25年3月31日の時点でエントリーされた対象者数は73名で予定を上回っている.その全ての対象者について,入院時の評価や退院時の状態調査も実施できている.よって,研究の達成度としては概ね良好であると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,対象者のエントリー,入院時の経過調査,退院時の状態調査を継続し,11月からは,エントリーされた対象者が退院から1年経過するので,アンケートによる予後調査を順次開始していく.アンケート内容は, 現在の生活場所家屋環境,ADL,ライフスタイル(家事,趣味,仕事)およびうつ症状,また,再入院・施設入所に至った場合はその理由について行う.アンケートの回収率が悪い場合は,はがきや電話がけによる促しを行って回収率を上げる.研究の成果については,学会等への発表を行っていく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の使用計画は,プリンターのトナーや紙,封筒等の設備備品費が42千円,学会出張による国内旅費が490千円,アンケートの謝金等による人件費・謝金が60千円,アンケートの通信費としてその他が35千円である.国内旅費に関して,次年度使用額が生じた状況として,当初計画では学会発表を複数箇所で行う予定であったが,本年度の実施内容が研究の準備と対象者をエントリーしデータを収集する事が中心となっていたため,学会等への発表機会が少なかった.次年度は対象者数が蓄積されデータ解析も可能となり,複数箇所で学会発表を実施する予定であり,次年度使用額はその費用として使用する.
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