2012 Fiscal Year Research-status Report
保育者が日常的に使える携帯端末を利用したダウン症身体発育評価システムの開発
Project/Area Number |
24500908
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
高木 晴良 帝京大学, 大学院公衆衛生学研究科, 講師 (90187930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 貴子 東京家政大学, 家政学部, 教授 (50236246)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ダウン症 / 成長曲線 / 子育て / スマートフォン / 身長 / 体重 |
Research Abstract |
都内にあるダウン症相談外来のカルテデータに関しては、現時点で267名分のデータ入力が終了している。身体測定点としては、1人平均15.6であり、合計4164点のデータを入手することができた。ただし、発育曲線としては利用できない20代以上のデータも434点ほど含まれていた。 身長の成長を正常児と比較すると、出生時には男女とも2cm程度の違いだったが、1歳時には5cm、2歳時には7~8cmとなり、最終的に成人になると男19.9cm、女12.6cmの違いがみられた。また、体重では、出生時には男412g、女253g軽かったが、1歳時には1.3kg、2歳時には2kg程度と差が開いた。ところが、成人になると男は6.8kg軽いものの、女は0.4kg重いという結果であった。さらに出生年代や合併症の有無等を考慮してダウン症児の発育曲線を検討していく予定である。 S県のダウン症親の会に対するアンケートは、2012/11/28に429通発送した。あて先不明が2通あったが、4月現在で130通回収できており、回収率は30.4%であった。現在、これらのデータは入力作業(データクリーニングを含む)が終了したところである。 都内のダウン症療育施設の利用者に対するアンケートは、2013/1/9に320通発送した。あて先不明が2通あったが、4月現在で118通回収できており、回収率は37.1%であった。現在、これらのデータは入力作業中である。 WEB上のインターフェイスに関しては、帝京大学内のサーバ上にプロトタイプを作成した。通常のパソコンから、「http://202.253.111.119/GSSDS/」でアクセスできるようになっている。現状ではデータを入力すると、それをグラフに表示するのみである。発育曲線のデータベースに関しては、アンケート等のデータ入力終了し、ある程度解析した後に開発に着手する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まず、サーバ環境が整うのが遅れるというトラブルがあった。サーバ用のインターネット回線を部屋まで引くのに、事務系の手続きが滞り、申請から半年以上かかってしまった。サーバ環境及び、テストサイトが完成しないと、端末であるスマートフォンのみを購入しても意味がないので、なかなか購入に至らなかった(近日中に購入予定)。 ダウン症相談外来のカルテデータに関しては、以前入力されていたデータに記載漏れが多いことが判明したので、全てのカルテの見直しを行ったため、入力の完成が遅れた。 郵送アンケートに関しては、関係者との打ち合わせをしっかり行ったために、発送までは計画通りであり問題なかったが、予想より回収率が悪かった。そのため、特にダウン症療育施設に関しては、再度協力のお願いをしていることなどから、今後も回収数が増えることも考えられ、入力の終了が遅れている。また、データ入力のための研究協力員も、当初の予定通り2回/週来ることができなかったので、データの入力スピード速度自体も予定より遅くなってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
既に身長体重値の入力が終了しているカルテデータに関しては、これから合併症等のデータと結合し、性別、出生年代、合併症、両親の身長、出生時身長、出生時体重、妊娠週数など各種因子と成長曲線の関係について本格的な分析を行う予定である。 同様に、アンケートデータに関してもデータクリーニング終了後に、カルテデータと同様の分析を行い、成長曲線や関連因子の相違について比較検討する予定である。なお、両者に大きな相違がなければ、合わせてダウン症成長曲線の統合データベースとする予定である。 Webシステムに関しては、パソコン、スマートフォン双方のインターフェイスを使いやすい物にするために、実際に入出力を行いながら検討する。また、個人の入力データを統合データベースに取り込む方法や、個人情報に関するセキュリティ対策(現状は、ID・パスワードのみ)なども検討する必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「スマートフォンによるアクセステスト」今年度はサーバ環境がなかなか整わず、インターフェイスの開発まで至らなかったが、プロトタイプができたので、実際にパソコンやスマートフォンを利用して、その操作性などを確認する必要が生じている。なお、具体的には、Android4.1のスマートフォンとiPadminiを購入することを検討している。 「Windows8によるアクセステスト」現在、一般ユーザ向けのパソコンOSは、Windows8に移行してきているため、Windows8のタブレットPC等によるアクセスも想定する必要があり、その場合の操作性などを確認する必要がある。 「学外用サーバPCの新規導入」現在は、平成17年購入のパソコンに、CentOS6.3を導入してサーバとしている。インターフェイス開発のための環境としては、これでも十分であるが、特定のユーザに公開して利用してもらうことを考えると、サーバ自体の新規購入が必要だと考える。
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Research Products
(4 results)