2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500916
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Takada Junior College |
Principal Investigator |
宮崎 つた子 高田短期大学, その他部局等, 教授 (30314115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶 美保 中部大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (20515704)
山崎 征子 高田短期大学, その他部局等, 教授 (30390040)
松川 由紀子 中部大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60094736)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 保育所 / 子育て / マイ保育ステーション / 妊娠期 / 虐待防止 |
Research Abstract |
本研究は,子どもの最善の利益と子どもの虐待防止という観点から,全ての子ども・子育てを対象にした妊娠期からの途切れのない子育て支援を体系化していく研究である. 長期研究計画のうち平成24年度は以下の2つの研究を主に行った.①昨年度までの「マイ保育ステーション事業」の取り組みについて,A市の公立保育所および支援センターに振り返り調査を行った.②子育て支援が確立されているニュージーランドに関する一連の取り組みを2つの研究班に分けて現地調査を行った.国外調査の概要は,地域で妊娠期から途切れのない子育て支援を行っているプランケット等の調査承諾が得られた施設にて聞き取り調査を行うことが出来た.さらに事前にニュージーランドに在住の子育て中の母親2人にもインタビューの承諾が取れ,現地での面会調査が実現した. これらの国内外調査結果を次年度以降の研究計画である「保育所における妊娠期からの子育て支援ーマイ保育ステーションー」への取り組みに関する示唆を得ることが出来た. 本研究実施計画では,ニュージーランドの現地調査の調整に時間を要することを考慮し,当初は平成25年度計画にあげていたが平成24年度(12月と3月)に受け入れや聞き取り調査の調整が可能となり,研究計画の早い段階での国外調査に着手できた事は今後の研究計画に大きな効果と成果に繋がると思われる. 上記の理由から,今年度は妊娠期からの子育て支援・親支援の推進国のニュージーランドを調査できた事が大きな研究実績と言える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の国内外調査の結果から国内の子育て支援との違いを以下のようにまとめることが出来た.①保育機関の情報公開と保育への親参加には、二ュージーランドとの違いは,親を単なる子育てに関する啓蒙の対象と位置付けるのではなく,情報公開によって,親との話し合いのもとで保育を展開するパートナーシップ形成を目指していることである. ②日本の子育て支援を中心に考える傾向に比べ,ニュージーランドは子育て支援は,就学前にとどまらず保幼小連携の幼児教育に続くように浸透している.③ニュージーランドは,子育ての責任の考えは,社会的援助の考え方が大きく関係し,子育ては家庭の責任である一方,それが果たせない場合のために社会的援助や,昼間の親子の居場所づくりの必要性を社会的責任としている. 本研究は,「子どもの虐待防止を視野に,未就園児の子どもの保護者や妊娠中の母親・家族を保育所で受け止めてる子育て相談」を大きな柱としている.今年度の国内外調査で得た研究成果を,今後の本研究計画の柱である保育所で行う勉強会や専門職相談会で具体的データとして活かす事が可能であり,研究目的達成の一助となる. 全体計画の中で,研究調整に時間を要する可能性が高く,その結果が研究の達成に大きく左右する国外調査が先方の受け入れや調査時期等から進展の不安定要素があった.しかし,このように国外調査が平成24年度(初年度)に行えた事は研究の進捗および達成度としては大きい展開である.調査時期が12月と3月に終えたばかりのため,今年度の国内研究に反映させるためのまとめ作業は平成25年度作業であるが,研究目的達成に向けた研究計画は概ね順調に進展していると評価できる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究実施計画 平成25年度は,平成24年度に得られた結果をもとに展開を計画している.ただし,A県が「マイ保育ステーション事業」を財政困難を理由に平成25年度の保育所への助成金を打ち切ることとなった.このような理由から当初予定していた公立保育所での相談事業等の介入が難しくなった.そこで,これらの課題を解決するため,一部の研究対象施設の変更を行いながら「マイ保育ステーション」に理解と協力の得られる私立保育所を今後の研究フィールドとして主に展開を計画していく.研究計画内容は以下のとおりである.研究を進めるにあたり,私立保育所で協力園の依頼・説明会を半年かけて行う.それと並行して,協力の得られた保育所から以下の研究を展開していく予定である.1.マイ保育ステーション事業に関する実行委員会の開催と調査.2.保育所職員および子育ち・子育て支援者研修会の計画・開催.3.専門職(助産師)による相談事業の実施と評価.4.妊娠期の母親対応に対するリスク管理を含めたマニュアル作成・検討.5.中間報告の作成.一部をまとめ,成果を公表する. 平成26年度の研究実施計画 平成26年度は平成25年度までの取り組みと各柱の研究内容の結果を体系的に整理していく.また,平成25年度の一部の研究内容は継続して展開をしていく.平成26年度に行う研究計は以下の内容を予定している.1.マイ保育ステーションの課題と効果の検証.2.保育所にける妊娠期の子育て支援の運用マニュアルの活用と評価.3.報告書の作成と成果発表.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究費使用計画 平成25年度は以下の研究を実施するための費用として予定している.1.私立保育所で協力園への研究依頼・説明会を開催するために必要な機材の購入.2.マイ保育ステーション事業に関する実行委員会の開催と調査のための会譲費および資料作成費.3.保育所職員および子育ち・子育て支援者研修会の計画・開催のための謝金と資料作成費.4.専門職(助産師)による相談事業の実施と評価のための専門職相談事業謝金と資料作成費.5.妊娠期の母親対応に対するリスク管理を含めたマニュアル作成・検討のための印刷費.6.中間報告の作成費.一部をまとめ,成果を公表するための登録費および旅費.
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