2013 Fiscal Year Research-status Report
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24500916
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Research Institution | Takada Junior College |
Principal Investigator |
宮崎 つた子 高田短期大学, その他部局等, 教授 (30314115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶 美保 中部大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (20515704)
山崎 征子 高田短期大学, その他部局等, 教授 (30390040)
松川 由紀子 中部大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60094736)
本田 育美 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30273204)
浅尾 正男 (浅尾 正男) 高田短期大学, その他部局等, 教授 (40701751)
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Keywords | 妊娠期 / 子育て / 虐待防止 / 保育所 / マイ保育ステーション |
Research Abstract |
現在、社会全体の子育て支援内容が充実してきているにもかかわらず、乳幼児への虐待は全国児童相談所の対応件数をみても増加の一途をたどっている。これらの乳幼児への虐待防止には、妊娠期からの子育て支援が有用であると着目され、各地の取り組みなどにも期待されている。特に、地域に拠点施設として存在する保育所には、「同年齢、異年齢の子どもたちがいる」「保育士、栄養士など専門的職員がいる」「多種多様な遊具・園庭・砂場がある」「保育室がある」など子育てに適した「人」「物」「場」がそろっている。このような理由から、保育の知識・技術・ノウハウの蓄積がある保育所という場での「妊娠期」、「就園前」の育児支援が注目されている。 そこで、本研究は、平成24年度に上記の妊娠期からの子育て支援事業「マイ保育ステーション事業」について、保育所等における妊娠期からの子育て支援の意義と課題を探る目的で振り返り調査を行った(平成24年度実績の一部)。 平成25年度は、前年度の実績を受けて、以下の4つの研究事業を行った。①「妊娠期からの子育て支援事業」実施の有無に関わらず、妊娠期からの子育て支援の意義と必要性、子育て支援事業実施や取組みでの課題を把握する目的で広い対象に調査を行った(調査研究)。②「妊娠期からの子育て支援事業」の内容で、保育所等からの要望の高い「妊娠期からの相談・指導ができる専門職相談事業」の実施を行った(実践研究)。③保育現場での職員が子育て支援に関する知識で不安要因として高かった「妊娠中や産後の身体的・精神的・社会的変化」に着目し、保育現場の職員の不安軽減を目的とした手引書として、「保育所における妊娠期からの子育て支援運用マニュアル」を作成した。④研究関係者による委員会および研修会を実施した。 以上の内容が、平成25年度の主な研究実績である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、平成24年度に3つの研究を行った。①平成23年度に取り組んだ妊娠期からの子育て支援事業「マイ保育ステーション事業」についての振り返り調査(量的調査研究)。②ニュージーランドの子育て関係施設の視察(日本との比較調査)。③ニュージーランドの乳児期の子どもの子育て中の母親に行ったインタビュー調査(質的調査)。 平成25年度は、前年度の実績を受けて、以下の4つの研究事業を行った。 ①妊娠期からの子育て支援の意義と必要性、子育て支援事業実施の課題についての調査研究(量的研究)。②妊娠期からの相談・指導ができる専門職相談事業実施(実践研究)。③保育現場の教職員の不安軽減を目的とした手引書作成。④研究関係者による委員会および研修会の実施。 今年度の研究実績結果から、多くの保育所で妊娠中からの子育て支援に関係する対応が行えており、地域子育て支援拠点施設の役割を果たしていた。また、子育て支援の必要性を感じながらも十分な対応が出来ていない課題や地域性も明らかになった。特に、妊娠期からの相談・指導ができる専門職相談事業実施(実践研究)では、子育て中の母親15名の希望者のうち、3名に妊婦が参加し、個別相談・質問などに対応した研究が取り組め、育児不安を地域エリアで解決する実践が行えた。さらに、支援者側の研修事業にも取り組めた。具体的には、妊娠によってもたらされる身体的、心理的変化などの妊婦の日用生活変化について、妊婦やパートナーを含めた家族に、育児不安や役割意識など、心理・社会的に大きな影響をあたえることを解説した保育所等の関係者用マニュアル(③の研究)作成事業が実施できた。この取り組みは、子育て支援、育児不安のサポートにあたる支援者側の不安軽減の一助となった。 このように、当初の計画と研究時期や回数等に若干の変更を生じているが、今年度までの研究実施および達成度はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、平成24年度および25年度の研究で得られた結果をもとに発展した研究を計画している。具体的には①国内質的調査研究、②国内量的調査研究、③成果報告の3つである。 具体的には、①の国内質的調査研究は、平成24年度研究のニュージーランドで行った乳児期の子どもの子育て中である母親に対するインタビュー調査(質的調査)を行い、日本での子育て支援に関する違いを明らかにしていく。②の国内量的調査研究は、平成24年度の事業振り返り調査および平成25年度の拡大量的調査を踏まえた調査研究を行い、マイ保育ステーション事業の課題と効果の検証を明確にしていく。③の成果報告では、妊娠期からの子育て支援の意義と必要性、子育て支援事業実施や取組みでの課題調査研究や妊娠期からの相談・指導ができる専門職相談事業の実施を行った実践研究、保育現場の職員が抱える子育て支援サポート事業のマニュアル作成や委員会および研修会の実施などの各柱の研究を体系的に整理して公表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が生じた理由は、平成24年度・平成25年度で行う予定の拡大調査計画が平成26年度実施となったため、調査に対応する機材購入および人件費が次年度に繰り越すこととなった。 平成26年度は、平成24年度および25年度の研究で得られた結果をもとに発展した研究を計画している。具体的には①国内質的調査研究費用、②国内量的調査研究費用、③成果報告費用の3つである。①国内質的調査研究は、平成24年度研究のニュージーランドで行ったインタビュー調査の国内質的調査である。②国内量的調査研究は、平成24年度調査および平成25年度調査を踏まえた調査研究である。③成果報告は、今までの調査研究や実践研究などの各柱の研究を体系的に整理して公表を行う。 平成26年度は以下の研究を実施するための費用として使用を計画している。具体的な使用計画は、①国内質的調査研究費用の目的に使用する。①質的研究費用では、インタビュー会場費や交通費、専門職相談事業人件費、分析補助業務の人件費などに使用する。②量的調査研究費用では、資料作成費、人件費、郵送費、データ入力・解析の人件費、調査時および解析時に必要な機材購入費などに使用する。③成果報告では、各担当者会議開催費、報告書作成費、成果を公表するための登録費、参加費、旅費等を研究費の使用として計画している。
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Research Products
(4 results)