2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24500922
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
鳴海 多恵子 東京学芸大学, 教育学部, 名誉教授 (90014836)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 手指の巧緻性 / 幼児 / 幼稚園 / 学年差 / 男女差 / 保育効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、幼稚園の3歳児学年から5歳児学年までの幼児の手指の巧緻性の計測を継続的に行い、実態および発達傾向を明らかにすること、個人差および男女差を追究することである。調査対象は3年保育を実施している国立大学附属幼稚園の3歳児学年から5歳児学年の幼児で、1学年の定員は男女各25名である。手指の巧緻性の指標として①おりがみを四角に折る時間とズレ量、②マグネットをボード上で移動させる時間、③ひもをとく・結ぶ時間、④1分間にビニールひもに通せたビーズの個数を測定した。 H24年度は、3学年の横断的分析を行った。その結果、すべての調査項目において学年進行と共に成績が上昇する事、および、ほとんどの項目で学年に関わらず女児の成績が優位であることを確認した。また、集団生活における幼児の特徴や遊びの傾向から、測定項目の成績の上位群には遊びの積極性、主体性の高い幼児が多い事、下位群には言語の幼児性、遊びの受動的態度、集中力の持続不足などの特徴があることを確認した。H25年度には、2学年にわたる縦断的分析を行い、学年進行における成績上昇傾向に男女差が見られることの示唆を得た。H26年度は調査開始から3年間の継続調査データが得られた集団を中心に、前年度に得た学年進行に伴う男女差と個人差に関する発達様相を縦断的に分析した。男女差については、各学年間の統計的な差の分析から、手指の巧緻性に関しては男児に比して、女児の発達が速いと考えられた。個人差については、成績の上位群と下位群の個別の発達様相を分析した結果、学年進行とともに上位群と下位群の差が縮小することが確認され、5歳児学年では3歳児学年時に下位群であった幼児が上位群を凌賀する事例も確認された。入園後1年間の下位群の発達はめざましく、手指の巧緻性の発達において、集団生活における共通の経験をすることの効果が推測された。
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