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2013 Fiscal Year Research-status Report

拠点性を備えた子どもの居場所の成立条件ー異年齢遊び集団形成に着目してー

Research Project

Project/Area Number 24500927
Research InstitutionOsaka City University

Principal Investigator

小伊藤 亜希子  大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (90257840)

Keywords子ども / 異年齢遊び集団 / 拠点性 / 小学校統廃合 / 遊び
Research Abstract

1)少年団にみる地域異年齢子ども集団の形成に関する研究
昨年のプレ調査に引き続き、京都市の左京少年団に属する5つの少年団を対象とし、少年団活動の地域における子どもの居場所形成への効果に関する調査を実施した。
少年団活動では、小学生から大学生までの幅広い異年齢集団が地域に形成されていること、さらに父母やOBが背後で活動を支え、地域の中に異年齢、多世代の子どもを育てるつながりが形成される拠点になっていることが明らかになった。子どもの生活時間調査からは、学校でも放課後も決まったプログラムに沿って過ごす子どもの生活実態が浮かび上がり、そのなかで、プログラムのない自由な時間を自分たちで遊びを決めて過ごせる少年団活動が,貴重な場になっていることを指摘した。
2)大規模な小学校統廃合による子どもの地域生活の変化に関する研究
子どもの遊びや地域生活の拠点となる小学校と小学校区の位置づけを問う調査として実施した。全国的に学校統廃合が進む中、子どもの遊び等の生活圏と重なっていた小学校区の物理的な範囲が拡大し、子どもの生活圏のスケールとずれるケースが現れている。そうした事例の一つとして統廃合によりバス通学を余儀なくされている京都市東山区の統廃合小学校を対象とし、統廃合前後の子どもの遊び行動や地域生活に関する調査を実施した。
徒歩圏を越えた大きな学区は、子どもの遊びや登下校に大きな負担をかけ、登下校や放課後友だちの家に遊びに行く際も親が送り迎えをするなど、子どもが地域を自由に遊びまわれる環境形成や遊び集団形成に障害をもたらしていることが明らかになった。一方、京都市特有の自治組織としての元学区の小さい単位でのまとまりが重要な役割を果たしていることが分かり、こうした生活圏と一致する自治組織が連携をとっていくことで大きな校区の問題が緩和できる可能性があることを指摘した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度には、 未就学~小学生の足下の遊び場の役割に関する調査を予定通り行い、地域における異年齢交流のある居場所に関する事例として少年団活動を取り上げ、プレ調査を実施した。24年度は少年団の調査を継続実施し、地域の異年齢、多世代の交流拠点、プログラムのない活動が保障される居場所となっていることが明らかになり、地域に根ざした住民による子どもの居場所づくりの積極的可能性を示すことができた。また当初の計画では予定していなかったが、子どもの拠点性のある生活圏づくりに密接に関係のある小学校区の存在に着目し、あらたに小学校統廃合による子どもの遊びと地域生活変化に関する調査を実施した。この調査から、徒歩圏と重なる小学校区のスケールが子どもの地域生活に重要な意味を持っていることを指摘することができた。

Strategy for Future Research Activity

当初の研究計画では、子どもの発達段階ごとに、3つの活動拠点として、A)集合住宅内広場等<幼児 >、B)学童保育所<小学校低学年>、C)少年団 活動<小学校高学年~中学生>を取り上げる予定をしていた。このうちA)C)については終了しているため、B)の調査に重点をおく。本年度は、学童保育のなかでも広く異年齢の子どもを受け容れている活動に着目し、居場所形成の条件を探る予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

当初予定では、遠隔地の活動を調査予定であり交通費を計上していたが、適切な調査対象が近隣自治体にあったため交通費の使用が大幅に減ったこと、調査をゼミ学生が担当することになり、謝金が不要になったこと等があり、25年度の予算使用額が予定を下回った。
遠隔地の調査旅費、アンケート実施の印刷・郵送費、入力謝金等に使用予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2014 2013

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] 集団規模と平面構成からみた学童保育の特徴 -京都市の事例から2014

    • Author(s)
      塚田 由佳里,小伊藤 亜希子
    • Journal Title

      生活科学研究誌

      Volume: 12 Pages: 21-34

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 学童保育所の整備状況と地方自治体の対応からみた施設整備課題 ―国の大規模保育解消策とガイドラインへの対応を中心に-2013

    • Author(s)
      塚田由佳里、小伊藤亜希子
    • Journal Title

      日本建築学会技術報告集

      Volume: 42号 Pages: 683-688

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2015-05-28  

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