2014 Fiscal Year Annual Research Report
拠点性を備えた子どもの居場所の成立条件ー異年齢遊び集団形成に着目してー
Project/Area Number |
24500927
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小伊藤 亜希子 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (90257840)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 子ども / 異年齢集団 / 遊び |
Outline of Annual Research Achievements |
拠点性を備えた子どもの居場所形成の成立条件を明らかにすることを目的とし、A)集合住宅内広場等<幼児 >、B)学童保育、子どもの家<小学校低学年ほか>、C)少年団 活動<小学校高学年~中学生>を取り上けた。 A)について:集合住宅の中庭・提供公園と家の前の道を「足下にある遊び場」として注目し、小学生、及び未就学児の親子の戸外遊びにおける役割を検証した。小学生以下の子どもが歩いて5分以内の遊び場でしか遊んでいない現状が明らかになり、そうした中で、住まいの足下にある遊び場は異年齢の子どもの集まる場所として有効であること、またそうした遊び場の有無は、初めて子どもだけで外遊びに出す時期にも影響を与えていることも明らかにした。 B)について:大阪市の子どもの家事業を取り上げ、2013年度でこの事業が廃止になった後の各施設の運営状況と子どもの家が果たしてきた役割について調査を実施した。その結果、子どもの家が、それぞれの地域のニーズに対応し、いつでもだれでも利用できる異年齢の子どもの居場所として独自の役割を果たしていたこと、事業廃止後もそうした役割を継続する努力がされていることが明らかになった。また比較検討のため北京の小学生の放課後調査を実施した。 C)について:少年団活動における異年齢交流に関する調査を実施し、小学生から大学生までの異年齢集団が形成され、さらに父母やOBが背後で活動を支え、地域の中に異年齢・多世代の子どもを育てる繋がりが形成される拠点になっていることを明らかにした。また、プログラムのない自由な時間を自分たちで遊び方を決めて過ごせる少年団活動が貴重な場になっていることを指摘した。 以上により、子どもがその発達段階に応じて次第にテリトリーを広げ遊びを展開していくには、囲い込み型の施設整備だけでは不十分であること、地域に根ざした住民による子どもの居場所づくりの積極的可能性を示すことができた。
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Research Products
(2 results)