2012 Fiscal Year Research-status Report
生活の場として知的障害者を支援する住まい環境の研究
Project/Area Number |
24500930
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
定行 まり子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (80235308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 彼路子 小山工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (60583523)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 知的障がい / 障がい者支援施設 / ユニットケア / 住生活 / 参与観察調査 / 生活動線 |
Research Abstract |
埼玉県南白岡市内の知的障がい者入所施設および茨城県結城市内のケアホーム(旧法・入所授産施設)においてケース分析を行ない、各施設を俯瞰的に捉えるため、関東1都6県の入所施設においてアンケート調査を実施した。 ケース分析では、基礎調査として運営法人の経緯と空間作りに関して広報誌分析・ヒアリング調査を実施した。それにより、①地域で暮らす障がい者家族のニーズをとらえ、特別支援学校卒業後の居場所作り等地域に根ざした活動に尽力していること、②ユニット内調理や子どもとその保護者を含めた包括的な支援において、法人の活動や理念が影響した先駆的なものであることが分かった。また、各施設にて2ユニットを選択し、参与観察調査を実施した。そこで各入居者の生活記録を作成するとともに、入居者・施設職員の動線図を作成した。入居者動線を比較すると、障がい程度が重い入居者や身体的に介助を必要とする入居者はリビング・ダイニングで過ごす割合が高く、障がい程度が軽い入居者は行動範囲が広い一方個室で過ごす時間も長いことが明らかとなった。このことから、入居者の障がい程度の違いにより、施設内の過ごし方に違いがあり、優先している住環境に違いが生じているといえる。職員動線からは、水回り・リビングの行き来(介助動線)が多く、各設備の配置が介助動線の短縮化等効率性の向上において施設の計画に重要であることが明らかになった。また、1ユニット内の入居者数が多くなると、動線が大きくなり職員の労力が増大し介助の負担が増えることから、ユニット内人数は動線からも適正があるということが分かった。 アンケート調査では、施設での暮らしのほか、施設の抱える課題として入居者の高齢化・重度化への対応等多岐に渡って山積している課題を精査していく必要があることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
アンケート調査、現地での観察調査など、当初の目標にそった調査・成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
知的障がい者の住環境について、今年度は「障がい児者とその家族へのサポート」「地域住民との関わり方」「障がい児者支援施設やグループホームでの生活」について着目し、視察及びヒアリング調査を行なう。特に障がい児者支援施設やグループホームは、観察調査も予定している。また、昨年度は関東地域の知的障がい者支援施設を対象にアンケート調査を行ない、さまざまな現状を把握できた。今年度は昨年度のアンケート調査票を改良して、規模を拡大し全国に対象を広げる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査研究旅費 40万円(宿泊費:15万円 交通費:25万円) 成果発表((地方-場所未定:2泊3日×4名)15万円 人件費 12万円 印刷費 8万円 通信費(切手):45万円 計 120万円
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