2014 Fiscal Year Research-status Report
生活の場として知的障害者を支援する住まい環境の研究
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24500930
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
定行 まり子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (80235308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 彼路子 小山工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (60583523)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 統合保育 / 障がい児者 / ノーマライゼーション / パーソナルスペース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、知的障害者および精神障害者にとってのよりよい住環境を整備するための基礎的な資料を得ること、および今後、障害者支援施設を生活の場と捉えた施設計画における提言を行う資料を作成することである。 本年度は、昨年度から先駆的な障がい児者支援を行っている茨城県結城市の「社会福祉法人希望会」を継続的に調査している。本年度は同法人が運営する統合保育を行う「あすなろ保育園」を対象にし、障がい児保育の様子や健常児との関わり、空間の使い方などを把握し統合保育のあり方を考察した。(障がい児を健常児と共に保育する形態として統合保育がある。)当保育園は開設当時から“どんな子でも受け入れる”という考えで、障がいの有無や国籍に関わらずあらゆる子どもを園児として受け入れている。現在、保育園では、障がい児の受け入れが少しずつではあるが広がっており、統合保育は浸透してきているものの保育士の負担や不安も大きいため、障がいのある子どもを実際に受け入れている園は少ないのが現状である。 □参与観察調査及びプロット調査 保育園の活動の内容把握、子どもたちによる空間の使われ方の把握のために、保育士と同様の形で子どもとの関わりを取りながら行う参与観察調査と写真データから起こすプロット調査を行い、以下の3つの視点から分析を行った。①保育プログラムと一日の流れから見た分析②三名の障がいのある児童の事例から見た分析③障がいのある児童のパーソナルスペースの分析 □アンケート調査 26年度に、アンケート調査「保育・教育方針からみた保育施設の設計計画に係わるアンケート」の集計作業・考察を行う予定であったが、アンケート調査先について再検討をする必要が生じた。その結果、計画を変更して追加アンケートを実施することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関東地方の学童保育施設1020件を対象とした「学童保育施設アンケート調査」、「社会福祉法人希望会」の「児童発達支援事業あすなろ教室」、学童保育「どんぐり教室」、統合保育を行う「あすなろ保育園」の観察調査など、当初の目標に沿った調査・成果が得られている。ただし、アンケート調査に着手した結果、アンケート調査先について再検討をする必要が生じた。そのため、計画を変更して追加アンケートを実施することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
モンテッソーリ教育思想は、発達延滞児などの障がい児への教育を普通児に応用したものであることから、日本モンテッソーリ協会に所属する全国の団体会員(幼稚園・保育園・認定こども園・その他無認可保育施設)180園に対して実施した、障がい児の受け入れの現状などを問うアンケート調査について分析を行い、研究成果をまとめる。
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Causes of Carryover |
26年度に、アンケート調査の集計作業・考察を行う予定であったが、アンケート調査先について再検討をする必要が生じた。 その結果、計画を変更して追加アンケートを実施することとしたため未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
追加アンケートの印刷費、郵送費、入力作業にかかる謝金、まとめ作成のための設備整備費・消耗品等に未使用額を充てることとする。
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